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自主・平和・民主のための広範な国民連合
『日本の進路』地方議員版15号(2002年5月発行)

合併しなくても自立した村づくり目指す

秋田県山内村長 藤原 清


山内村のホームページ

 合併反対を掲げ初当選

 昨年8月の村長選で、私は強制的な合併はすべきではない、わが村はまだまだ自主財源を増やせる、時間はかかるにしろ、当面合併せず頑張って行きましょうと訴えました。
 今、国が合併を強力に進める大きな要因は、国の財政が危機的な状況にあるということです。国はバブルが終わってからも大企業・保険会社、ゼネコン、流通関係等に大金をつぎこんできました。地方自治体はこれまで国の主導で運営がなされてきたわけで、160兆円にのぼる借金は地方自治体だけの責任ではありません。

 まず合併ありきの「市町村合併トーク」

 合併に向けて国や県の圧力が強力になってきています。4月10日、山内村で秋田県知事も出席した「市町村合併トーク」が開かれましたが、この時は論議というよりもあらかじめ発言者は限られており、言葉では「合併するもしないも市町村の判断だ」といいながら全体的には一方的に合併しないと大変だよという感じでした。
 山内村は昭和28年頃からはじまった、昭和の大合併で大変もめた経緯があります。当時、山内村は合併せず自立してやっていくことになりました。ところが横手市に隣接している大沢地区の人口1100人余りが分村し横手市に合併しました。そこには「かまくら」と並んで有名な「ぼんでん祭り」というのがあります。旭岡山神社にぼんでん(幣束)を奉納する祭りです。そのぼんでん祭りはもともと山内村の行事だったわけです。
 私は「市町村合併トーク」の場で、かつてのようなもめ事を繰り返したくないということと村の自主財源を増やし自力をつけることを先ず手がけたいと訴えました。

 合併特例債は借金、地方・国の負担を増やすだけ

 国や県の試算では、例えば横手・平鹿郡8市町村が合併した場合、予算総額580億円のうち100億円が節約でき、職員970人を660人ぐらいには削減できるといっています。
 合併特例債は、例えば横手・平鹿郡は580億円起債して、そのうちの75%は交付税で後年度国からおりてきますがあとは借金になり、バブルの二の舞になりかねません。こういう田舎は確かに、社会資本整備をやらなければいけないところはまだまだあります。しかし、いま早急に一度にやるべきものではありません。時間をかけ、アイデアを練り、あとあと良かったなというお金の使い方をしなければ、一時的に建設業者だけの利益になり、無駄使いになってしまいます。
 合併特例債で誘導するいまの合併の手法は失敗するのではと危惧しております。

 村の自立を目指し頑張る

 私は初めて村長となり8カ月ですが、村行政をチェックしてみると確かに無駄もあります。人件費だとか固定した財政状況を少しでも改善したいと考えています。
 私の抱負としては、第一は自主財源を増やしていくことです。本来の農業と林業をもう一度もっとさかんにしていきたい。その具体的な計画として農産物の直売所を立ち上げ、農家の生産意欲を高めようと思っています。山内村の第三セクターで経営している鶴ヶ池温泉には入浴客が一日平均500〜600人来てくれます。入浴客に農産物、民芸品などをなるべく買っていただくことによって農家の所得を上げていく。一挙に大風呂敷を広げるのではなく、先ず今までやってこなかったことを少しずつ実践してまいります。生産量が上がってきたら首都圏や東北の大都市仙台などにも直売所を設けて、販売していきたいと考えています。
 あともう一つにはグリーンツーリズム。山内村には萱葺き屋根の住宅がありますが、それを取り壊すときに村の方で融通してもらってそれを民宿などに活用し、都市圏との連携を進め、滞在型、滞留型の観光に結びつけていきたいと考えています。いくらかでも村民の所得を上げ、村の収入を上げていくことが大事なことであると考えています。
 今のまま合併が進むとすれば、過疎化に拍車がかかるのは間違いありません。中央集権がますます強くなると思います。県が提示している合併構想は横手市と平鹿郡の7町村です。合併すると、中心はいまの横手市になるでしょう。 いまの合併が本当に進むとすれば、中央集権がさらに進み、なおかつ画一的な行政がさらにはびこってしまうでしょう。どこまでも国におんぶにだっこという図式は変わらず、この地区は自立できない状況がすすむのではないでしょうか。

 国・県は農業を重視し自給率を高めよ

 東京都の人口1200万人のうち900万人は田舎から出ていった人たちです。国が工業を優先した結果、農業で生活が出来なくなり、多くの人が都会へ出ていきました。食糧自給率が40%すれすれというのは先進国では日本だけです。フランスなどは国内の農業を守り180%ぐらいの自給率になっています。せめて自給率が80%以上になるように政策をとってもらいたいと思います。いま日本はコメが余っているのに外国からコメを買っています。コメが高いと言いますが、日本人の主食である米は年間一人約1俵、63キロ食べます。国が買う値段が1俵1万4千円、例えば高く見積もって消費者が3万円で買ったとして、一食あたり30円ぐらいにしかなりません。決して高いとは思いません。国は大銀行や工業ばかりを優先するのではなく、木材あるいは農産物を生産する地方の自治体を守り発展させる義務があります。
 まともな国になるよう頑張りましょう。(文責 編集部)
21世紀の自治体と国
元気な日本を作るための基本戦略
国と地方自治体の役割分担

秋田県山内村長 藤原 清