高市発言後の日中経済関係

 中国との関係悪化を口実に

軍事産業の拡大など誤った方向へ

東京大学社会科学研究所教授 丸川 知雄

 

 

 2025年11月のいわゆる台湾有事をめぐってなされた高市首相の国会答弁以来、日中関係は十数年来で最悪の状況に陥っている。高市発言の直後から、中国中央テレビ局のニュースでは連日高市首相批判が展開され、中国の公式メディアはやがて日本を「新型軍国主義」と非難するようになった。中国から日本への団体旅行はぱったりと止まり、日中の学術交流活動も次々とキャンセルされている。日本への個人旅行を制限する動きはないが、中国政府から訪日旅行者に対して日本の治安状況についてやや過剰な注意喚起が行われている。今年1~7月の中国からの訪日客は昨年同期に比べて56%も減った(表参照)。 続きを読む


第2次アジアの平和と未来をひらく若者訪中団に参加して

「国辱を忘れず、平和を大切にする」に考える

東京女子大学3年 梶原 光

 

 今回の訪中を通して、中国の姿が日本で十分に、あるいは正確に伝えられていないことを悔しく感じる場面が何度もあった。現在も、例えば「中国人と比べて日本人は差別されにくい」といった、日本人礼賛の動画が高い再生数を集めている。なぜ日本人は、そのような語りを求めるのだろうか。今回の訪中を通して、私はその背景の一つに、日本人が自国の加害の歴史を十分に知らないことがあるのではないかと考えるようになった。 続きを読む


第2次アジアの平和と未来をひらく若者訪中団に参加して

 「第2次アジアの平和と未来をひらく若者訪中団」が9月7日から瀋陽および撫順と北京を訪問した。その感想レポートである。(編集部)

一歩一歩を踏みしめながら、対話をつづけていくために

一橋大学大学院社会学研究科博士後期課程 小谷 英里

 九・一八事変から95年、日中国交正常化から54年。日中関係は極度に緊張し、交流事業の中止や延期が相次いだ。そうしたなかで、訪中団が実現したこと自体、決して当たり前のことではない。
 多くの人びとが、困難をともなうにもかかわらず、わたしたちを温かく迎えてくださったのは、中国人民抗日戦争記念館の館長が語っていたように、民間交流こそが現状を打開するためのたしかな道であると信じるからであろう。 続きを読む


沖縄知事選を振り返って

私たちの手で「未来の沖縄像」打ち出そう

   

対談

儀保 唯(沖縄県議会議員)     
+花谷史郎(石垣市議会議員)

必要だった政策の
アップデート

花谷史郎(以下、花谷) あくまで私の周囲に限ったことですが、そこまで強く政治に関心がない友人からは、「次はデニーさんでなく、新しい人を」という声が上がっていました。日常的にある程度新聞を読んでいるような方がそういう感覚を持っていることについて、危機感を感じていました。特に石垣、宮古などではこの間、オール沖縄が推していた候補者が負けることが多かった。 続きを読む


沖縄県知事選挙を振り返って

古謝氏の勝因と玉城氏の敗因を考える

沖縄県議会議員 山内 末子

 

 

 9月13日の投開票日、午後8時の投票締め切りと同時に「古謝ゲンタ」氏の当確の速報が流れた。あまりにも早い結果に誰もが驚きと落胆を隠せなかった。選対を預かる私(選対本部事務局長)は当日午後あたりから「ゼロ打ち」ありうるとのマスコミ情報を受けつつ、逆転を信じて各方面に最後までの取り組みを指示していた。 続きを読む


主張 ■ 高市政権がもくろむ「安保3文書」改定

 非核三原則の見直し、抑止力強化一辺倒は破局の道

アジアに生きる自立外交こそ展望

『日本の進路』編集部

 

 高市政権はわが国の安全保障政策の骨格とされる「安全保障関連3文書」の改定を年末までに閣議決定しようとしている。焦点は米国の求める防衛費増額などとともに「非核三原則」の見直しである。 続きを読む


日米地位協定の抜本改定へ

神奈川県知事に要請書を提出

逗子市議会議員 中西なおみ

 

 

 私たちは7月24日、「日米地位協定の抜本改定の実現を目指す要請書」を、渉外知事会の会長でもある黒岩祐治神奈川県知事に提出しました。日本の主権と地方自治を確立するために、日米地位協定の抜本的な見直しを求めるものです。要請文は、石郷岡(厚木基地爆音防止規制同盟委員長)、畑井陽子(綾瀬市議)、中西なおみ(逗子市議)、神谷扶左子(時を見つめる会)の4人で手渡し、中西逗子市議が読み上げました。参加者は20人で、県は舘野基地対策部長が対応しました。 続きを読む


神奈川県西地域議員有志による全国地方議員交流研修会参加報告会

今こそ一人ひとりの地方議員の
課題解決力アップ! そして結集を

小田原市議会議員 鈴木 敦子

 

 

 第22回全国地方議員交流研修会の7月横浜開催にあたり、わざわざ小田原市役所まで足をお運びいただいた主催者側からお話を伺いました。せっかくの神奈川県内の開催。一人でも多くの議員に参加してほしいという熱い思いを受け、これは県西の連携する議員皆で学ぼうと考えました。 続きを読む


第1分科会討議および政府要請の報告

「平和と共生」は、自治体こそが主体性を発揮すべき課題である

第1分科会座長・金沢市議会議員 森 一敏

 

 

 私は、第1分科会「アジアの平和・共生の声を自治体から」で、鎌倉市議上野学さん、鳥栖市議牧瀬昭子さんと共に座長を務めました。40人余りの自治体議員と一般参加者により、活発に討議がなされました。 続きを読む


高良沙哉参議院議員から学んだ

  高良沙哉参議院議員から学んだ

「地方から平和をつくる力」

松戸市議会議員 岡本 ゆうこ

 

 先日、横浜にて開催された「第22回全国地方議員交流研修会in横浜〜地方から政治を変える〜」に参加しました。全国各地から地方議員が集い、熱い議論と学びの時間が繰り広げられた研修会でした。 続きを読む


第22回全国地方議員交流研修会アピール全文

第22回全国地方議員交流研修会 アピール

全国の自治体議員のみなさん。
 いま、住民の暮らしと地域の経済は、円安や物価高騰と低賃金、高負担により厳しくなる一方です。
 とりわけ、日中関係の悪化とイラン戦争は、輸入に依存するわが国経済に打撃を与えています。
 そうした中で、政府は、沖縄や九州など国内各地への長射程ミサイル配備など防衛費を大幅増額して、住民の生活を顧みません。
 戦後80年を経て、中国やインドなどグローバルサウス諸国が経済的にも政治的にも台頭してきました。日本は対米従属一辺倒を脱して自主外交に転換し、アジアをはじめとする世界の国々の平和に向けて舵を切るべきときです。
 生活に密着した多くの課題、たとえば、暮らし続けられる賃金の保障、雇用の安定のための労働法制厳格化、社会保険料や医療費の負担軽減と社会保障制度の維持、食料やエネルギーの地産地消と農家への支援、地域防災等々。これらの課題解決も待ったなしです。
 この間、全国でますます多くの人たちが、平和を求め、そして生活の安定を求めて、街頭で声を上げ、立ち上がっています。
 安心して生活できる、平和な日本をつくっていくため、新たなビジョンが求められています。

全国の自治体議員のみなさん。
 私たちは、昨日、今日の2日間、北海道から沖縄まで全国各地から党派を超えて横浜に集い、「地方から政治を変える」をテーマに学び、交流し、大いに議論してきました。
 これまでも私たちは、全国地方議員交流研修会を基礎に、「食料自給の確立を求める議員連盟」の結成と対政府要請行動や「令和の百姓一揆」への活動協力、また、日米地位協定改定の要請行動や「日中不再戦」のための議員訪中団の取り組み、さらに新たに「社会保障の確立を求める自治体議員連盟」の結成と、共同行動を重ねてきました。明日も対政府交渉を予定しています。
 私たちは自治体議員の立場から声を上げ、国政に対しても一致できる課題ではば広く連携し、共同で行動していこうではありませんか。
 今年9月には沖縄県で統一選挙が、来年4月には全国で統一地方選挙が予定されています。
 ここに集った私たちは、これからも、地域の切実な声と各自治体における課題をもちより、政策を共有して団結、協力し、さらに政治の転換をめざす活動を進めましょう。
 地方から政治を変えよう!

2026年7月22日

第22回全国地方議員交流研修会参加者一同


9・18柳条湖事件から95年に

相模湖・ダム建設殉職者追悼式に参加して

歴史系フリーライター 小檜山 青

 昨年11月の高市首相のいわゆる「台湾有事発言」のあと、中国と日本の関係は冷え込んでしまった。中国への曲解が入り交じったとしか思えぬ報道も増え、二国間関係は冷え切ってゆくばかりに思える。
 それより以前から日本における排外意識の高まりは感じていた。しかし政治がどうあれ、歴史を変えることはできない。2026年9月18日、柳条湖事件から95年目にあたる。政治が憎悪を生み出した過去を振り返り真摯に向き合うべきではないだろうか。 続きを読む


国家情報会議設置法の問題点と今後

権力を監視し質し続けていきたい

立憲民主党参議院議員 小島 とも子

 

 

1、国家情報会議の意義とは何か?

 国家情報会議設置法案は、衆議院では2026年(令和8年)4月23日の本会議で可決、参議院では5月27日の本会議において可決・成立し、国家情報会議設置法が6月3日に公布された。7月31日には国家情報局が約730人体制で発足した。 続きを読む


「社会保障の確立を求める自治体議員連盟」発足に際して

社会保障の現状と今後の明るい未来のために

長崎県長与町議会議員 安部 都

 

 

 社会保障の中で、今後最も重要視されるのが介護保険制度です。突然、介護が必要な状態になった人も介護度に応じて、福祉用具の貸与やデイサービスの利用といったサービスが1割から3割で受けられることになります。これには在宅サービスや、地域密着型サービスなどさまざまな介護サービスがあります。原則40歳以上の人が保険料を負担する仕組みとなっています。 続きを読む