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自主・平和・民主のための広範な国民連合
『日本の進路・地方議員版8号
 

内外に沖縄の基地問題をアピール

大きく成功した「人間の鎖」

           那覇市議会議員 高里鈴代


相次ぐ米兵の犯罪
 県民の怒り高まる中で迎えたサミット


 今回サミットが開催されるこの機会に、基地を抱えている沖縄の状況をもっとサミット参加国や全世界に知って貰いたいという思いがとても強くありました。
 去年の6月頃、クリントン大統領がドイツのケルンで沖縄問題が解決しなければ沖縄に来たくないと発言しました。それには具体的に普天間の移設問題の解決が含まれていたと思います。その後の発言で日米安保体制下での沖縄の貢献を強調し、基地を認知させる方向にトーンが変わってきました。そのためにも、不祥事が起こっては大変ですから徹底した蟻も通さない厳戒警備体制を敷きました。しかし、7月3日米兵による女子中学生強制わいせつ事件、9日にはひき逃げ事件と米兵による犯罪が立て続けに起こりました。特に3日の事件は自宅で就寝中、もっとも安全であるべき場所、時間で起きています。基地の抱える問題を再認識させる事件です。
 サミットだからにこやかに迎えましょうと言う状況ではありません。事件直後沖縄県議会はじめ与野党をこえて県下の各自治体議会が次々と抗議決議を採択しています。サミットを歓迎する人々によってサミットの開催に協力する県民会議や推進市民会議等が作られました。しかし、この一連の事件に対してはとても許せないと与野党をこえて全会一致で抗議の採決をしました。そこに、沖縄の特殊性がよく現れていると思います。
 
 女性たちによる活発な問題提起

 この沖縄は本質的には基地の重圧から様々な問題が起こり続けており、それを解決させたいという思いが強く深くあります。
 私たち女性達は6月22日から25日まで、安全保障を問い直すということで国際女性サミットを開きました。安全保障を軍備でと言うこと自体が基本的には矛盾しています。軍事による安全保障が沖縄の人々の人権を侵害し、日常生活の安全を侵害していることが論議されました。また別のNGOによる「民衆の安全保障」という会議もありました。それから環境ネットワークの国際会議では、長期にわたって駐留している軍事基地から派生する環境汚染の問題がとても深刻だと報告がありました。
 サミットに集まる8ヶ国は軍事大国であり、武器の輸出国であり、近代兵器の開発国です。そういう国が集って確認しあう国家安全保障がいかに人間の安全保障とかけ離れたものであるか、この一ヶ月間、いろいろと問題提起が行われました。私が属している「基地軍隊を許さない行動する女たちの会」も含めて30団体が「沖縄から平和を発信する市民連絡会議」を結成しました。そして、去年の暮れ頃から準備し、6月の半ば頃から約一ヶ月以上かけて様々な活動を展開しました。そういう活発な独自の自発的な問題提起が展開でき、私たちの力を確認できたことは大きな成果です。
 
 世界に大きくアピールした嘉手納包囲行動
 
 7月16日には米兵事件に抗議する県民大会が開かれ、主催者の予想5000人を上回る7000人が結集しました。20日には本当に暑い中で嘉手納包囲行動が行われました。報道では参加者が27000人とされていますが、もっと多かったと思います。全国からもたくさん応援に来てくれました。それこそ、この時こそいかずばなるまいと80代のお父さんが娘に誘われて参加する。是非とも子どもに経験させたいというおばあちゃんが一緒に行くとか、それから小さい子どもを抱えた子ども三人連れ夫婦、車椅子の年輩の方。団体が提供したバスで来るだけでなくて自発的に来たという人たち。宮古、八重山からも駆けつけていました。家族ぐるみの自発的な参加が本当に多かったと思います。1987年、第一回目の時は天が破けたと思う位の土砂降りの中、自分が参加しなかったら輪がつなげなかったらどうしよういうのがありまして必死で参加しました。今回は世界の人々に基地問題を訴えるという思いが強くありました。
 メディアは国内外から約3000人が来ました。県民の抗議集会にも参加し、嘉手納基地包囲にはたくさんの人が取材していました。私自身もアメリカのラジオからインタビューを受けました。問題意識をしっかり持っているメディアの人たちは沖縄の現場に踏み込んでみて、豊かな日本の中のあまりに矛盾を抱えた島、そしてそれと全く対象をなした美しい島、そこで受けた印象というのは大変強かったと思います。基地問題を徹底的に自国へのニュースとして発信していました。沖縄の基地の実態を世界に知らせるということでの効果は大きかったと思います。

 米大統領の謝罪もなく
 沖縄の負担は軽減されず

 平和の礎の前におけるクリントン大統領のメッセージは先ず米兵による事件についての謝罪が無かった。新聞でもいろんな人の意見を聞いてもあれは不十分だったという感想です。過去について激戦地であったとか犠牲者が多かったとか、沖縄はかつて独立国であったという言及はありましたが、現在起こり続けている事への認識が弱かった。あとで森総理にコメントしたということですが、県民に直接謝罪すべきです。基地の存在は県民の意志ではないというところまで言いましたが、将来に向かって沖縄の負担を具体的な形で軽減するとは言わなかった。あのメッセージは、今後も沖縄の基地は重要であり、県民の安全も出来るだけ気を付けますというレベルのものでしかなかったと思います。
 日本政府はびっくりするほど大判ふるまいをしました。沖縄の道路をきれいにし、プレスの人達に素晴らしくおいしい料理を提供しました。良く思われたいための努力は必死にやりました。一方、警戒態勢で県民の日常生活は不自由を強制されました。そういうものに多額の国税を使うわけですから結局は国民の負担になります。日本政府は外見、形式にこだわるだけで沖縄の抱えている問題を真摯にそのテーブルに引き出していくということをしませんでした。

 基地の固定化を許さず
      全国で風穴をあける闘いを

 サミットが終わり嘉手納基地の演習ももとに戻っています。それと同じように基地の移設問題もこれから具体化します。祭りの後だからと息を抜くことは出来ません。沖縄サミットが決定された背景には、沖縄の基地の固定化と言うことがあると思います。それはサミット後には当然進められて来ます。それをさせないための取り組が今後必要だと思います。
 稲嶺知事等は基地の15年期限付き使用で県内移設を認めると言っていますが、現実に即していない提案だと思います。前国防次官補のキャンベル氏などは使用期限をアメリカが約束出来るはずがないとはっきりと言明しています。もともとこの様な提案は議論にならない問題です。
 嘉手納包囲行動に連帯して厚木基地前でも岩国でも集会やデモが行われました。それぞれの地域で抱えている矛盾を徹底して取り組むと言うことが重要だと思います。
 地方自治が自治としての機能を確立していく以外に、国で抱えている矛盾を変えていくことは出来ないと思います。そう意味ではお互い支援しあうということは、とても大事だと思います。
 この間愛知では万博の問題で、当初計画の5分の1に縮小するという譲歩を勝ち取り随分と変わりました。その取り組んだ成功の経過を教訓にし、いま苦しんでいるところと共闘するということも必要だと思います。沖縄でいろいろなイベントがあって応援に来て下さるのはとても嬉しいことです。でも、それ以上にその方々が住んでいる地域の問題に取り組みそこから日本全体で抱えている矛盾に風穴をあけて行って欲しい。それが沖縄の状況を変えると思います。
                                      (談 文責編集部)