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自主・平和・民主のための広範な国民連合
『日本の進路』地方議員版22号(2004年2月発行)

米兵の強姦事件で市長に申し入れ

長崎県佐世保市議会議員 速見 篤


 1月17日、19歳の日本人女性が米兵に強姦されるという事件が起こりました。
 基地があるゆえに、こういう事件が繰り返されます。いますぐにでも基地をなくしてほしいが、当面の対策としては市民の生活を守るためにもっとパトロールを強化するよう当局に強く要求しました。
 こういう事件がおきると日米地位協定の抜本見直しの必要さを実感します。市議会ではまだその意見書は採択されていませんが、これからの課題だと思います。いま、佐世保では護衛艦「はるな」などがイラクへ向けて出航するなど、日米安保体制下で多くの問題が起きて、息をつく間もありません。1月22日、私たち社民党佐世保支部と地区労は連名で、市長に対して今回の事件に対して断固たる行動をおこすよう申し入れを行いました。
 なお、佐世保市長は同日、米軍佐世保基地司令官と外務省に対して、この様な事件の根絶と厳正な対処について申し入れを行いました。

申し入れ書
佐世保市長 光武 顕 殿

 新春の候、貴職におかれましては、日頃から市政の発展のためご尽力いただき心より敬意を表します。
 さて、今月17日午前0時頃、市内で発生した米兵による日本人女性に対する強姦事件は、極めて悪質で市民に大きな衝撃と不安を与えるものであり、心の底から憤りを覚えるものです。
 佐世保では、昨年10月5日に民家侵入・窃盗未遂事件、12月7日には飲酒運転による死亡事故をはじめ、一昨年までの過去5年間に犯罪60件・交通事故510件(警察署調べ)にも及び、米軍人等による凶悪犯罪や事故は後を絶たない状況にあります。
 こうした事件・事故の背景には、米軍人等の日本人に対する特権意識や差別感情などもあり、基地が存在する故の構造的問題であると指摘せざるを得ません。
 この種凶悪犯罪が発生する度に、米軍に対して「再発防止」や「綱紀粛正」を求めても、過去の反省と教訓が全く活かされず、しかも有効な具体的措置及び根本的な解決策を明らかにし得ないことに激しい憤りと不信感は頂点に達しています。
 したがって、貴職におかれましては今回の重大事件に際して、下記の事項について日米両政府及び関係当局に対して厳しく申し入れを行われるよう強く要請いたします。
 なお、回答にあたっては具体的文書をもって行われるよう申し添えます。
                   記
1 米軍は、犯人を厳罰に処するとともに、被害女性に対して充分な謝罪と補償を行うこと。
2 事件の再発防止のため、米軍の警備体制の抜本的見直しと、日本警察による夜間パトロールを強化すること。特に、若年及び独身米軍人等に対する具体的措置を講じること。
3 米軍基地の整理・縮小及び兵員数の削減の具体化と、日米地位協定の抜本的見直しを行うこと。
   2004年1月22日        社民党佐世保支部    代表 森 信也
                     佐世保地区労働組合会議 議長 原 正巳