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自主・平和・民主のための広範な国民連合
月刊『日本の進路』2007年9月号

「集団自決」への軍の命令を否定する
歴史歪曲の教科書検定を撤回せよ!

 沖縄県民と連帯し、検定撤回の声をあげよう


 沖縄戦における住民の「集団自決」は日本軍が命令・強制・誘導したものではない。教科書の記述は削除・修正せよ。文科省は、来年度から使われる高校教科書に、このような検定意見をつけた。
 沖縄戦の当時、日本軍は住民に二発の手榴弾を配り、一発は米軍への攻撃に使い、失敗した時はもう一発で「集団自決」せよ、と命じた。渡嘉敷島では、米軍が上陸した翌日、住民三百二十九人が手榴弾や農具などを使って、「集団自決」した。沖縄戦で、このような悲惨な「集団自決」が各所で起こった。日本軍によって強制された集団死であった。親兄弟の尊い生命を失い、筆舌に尽くしがたい犠牲を強いられた沖縄県民にとって、このような教科書検定は、到底容認できるものではない。
 沖縄県民は怒り、県議会と県内の四十一市町村議会すべてが検定撤回の意見書を採択した。仲里県議会議長は、意見書採択にあたり、「検定結果は死者を冒とくしている。歴史の事実を否定すると、戦争への道を歩んでしまう。祖父、父、弟を沖縄戦で失った者として、歴史の事実を歪曲することは許せない」と述べた。
 県子ども会育成連絡協議会、県PTA連合会、県老人クラブ連合会、県高等学校PTA連合会、県遺族連合会、県婦人会連合会が、「教科書検定意見撤回を求める県民大会」を呼びかけた。これに応え、県民大会を成功させようとの動きが急速に広がった。県議会は各派代表者会議を開き、県民大会に県議会として参加することで一致した。知事も県民大会への出席を表明した。各市町村議会は、次々と県民大会への全議員参加を決定し、住民に参加を呼びかけている。町村議会議長会も、三十町村の全議員三百七十四人と議会事務局職員の参加、さらに住民に参加を呼びかけることを決めた。市議会議長会は、県民大会の実行委員会に加わることを決めた。
 県民大会は参加者五万人を目標に、九月二十九日、宜野湾海浜公園で開くことが決まった。沖縄本島から遠い宮古でも、同日同時刻に、三千人の宮古郡民大会を、八重山でも同様に二千人の大会を開くことになった。一九九五年に、沖縄県民が米兵の少女暴行事件に抗議し、八万五千人の県民大会を開いて日米両政府を震撼させた時と同じように、島ぐるみの闘いが再現されつつある。
 九月六日、県議会、県婦人連合会、県遺族連合会、連合沖縄など二十二団体で構成する県民大会実行委員会が正式発足した。各市町村の行政や議会に市町村単位の実行委員会の発足を求めていくこと、県内千七百余りの団体に共催団体として参加を呼びかけること、会場への参加者輸送のために県バス協会に片道の無料バス運行を要請することも決まった。県民一丸となって県民大会を成功させる態勢が整った。実行委員長の仲里県議会議長は「この問題は県内だけでなく、全国的な問題。史実から『集団自決』の日本軍関与が消されれば戦争の美化につながる。大会をぜひ成功させよう」と訴えた。
 市議会議長会は、検定意見の撤回を求める決議を採択するとともに、各市議会が姉妹都市の議会に同様の決議を呼びかけることを申し合わせ、九州市議会議長会理事会に、決議案を提出することを決めた。沖縄県青年団協議会も、日青協理事会で共同声明の決議を提起することを決めた。
 沖縄戦の歴史を歪曲し、戦争を美化する高校歴史教科書は、来年度から日本全国で使われる。これを撤回させることは、沖縄だけでなく全国の問題である。日教組と自治労は全国大会で、検定撤回を求める特別決議を採択した。労働組合が中心となり、全国で四十四万を超える検定撤回署名を集めた。平和フォーラムは東京で「沖縄戦の歴史歪曲を許さない全国集会」を開催する。
 沖縄県民と連帯し、全国で歴史歪曲の検定撤回を求める声を広げよう。地方議会に検定撤回の意見書採択を求めよう。