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自主・平和・民主のための広範な国民連合
月刊『日本の進路』2007年4月号

米軍再編反対

福岡県・築城基地の米軍機配備
日米共同訓練に抗議する

 在日米軍再編に伴う航空自衛隊築城基地(福岡県築上町)を拠点にした全国初の日米共同訓練が三月六日、自治体住民・議会の抗議を踏みにじり始まった。米軍嘉手納基地(沖縄)所属の第一八航空団(四機)と築城基地のF15戦闘機計八機が参加して訓練が実施された。町議会議長と自治会長に話を聞いた。

議会はあくまで反対する

 築上町議会議長 田原 親 さん

 築城基地における米軍共同訓練に議会はあくまで反対の姿勢です。昨年五月に議会が率先して先頭に立って全議員が街頭に出てデモなどやり、私たちは議会にも横断幕を張って鉢巻きをまいてということも言いました。平成十八年一月に、椎田町と築城町が合併し新町「築上町」となりました。自治会は六十六自治会があり、基地の周辺の八津田地区などは相当騒音に悩まされております。一方で、地域によっては温度差があり、国が決めた以上、これはもうやむを得ないのではないか、米軍が来るというたらどうしようもないという意見もあります。
 基地周辺では基地騒音の被害や米軍が来ることへの住民の不安は大変なものがあります。治安の問題が一番です。
 沖縄県の嘉手納基地等の視察にも行きました。基地の管理は普天間あや嘉手納は米軍の管理であり、築城の自衛隊基地は日本の管理であり、内容は違います。普天間基地の国際大学へのヘリ墜落事故では日本の警察でどうしようもないことが明らかになったと思います。
 今回の米軍の訓練期間中は米軍の外出について、自衛隊と行政の職員が何人か離れてついて回ったようですが、なにも起こらなかったから幸いでした。
 一市二町(行橋市、みやこ町、築上町)の首長が日米共同訓練を認める協定書に同意したわけです。議会に具体的な話もせず、首長が勝手にやったことに対して、抗議文を出しました。みやこ町、行橋市長に議会全員で抗議文を持っていく予定でしたが、相手が会うのを拒否し、郵送しました。そうしたら、その抗議文が送り返されて来ました。
 宮崎県の新田原基地の新富町からも視察に来られ、基地視察をやりました。新富町でも首長が容認になって議会が反対を堅持しているという状況ですが、連携をしながらやっていきたいと思います。
 私たちは七月には議会の改選時期を迎えますが、町民の生命を守る立場から、治安や安全の問題については十分監視しながら、日米共同訓練は中止を要求して一生懸命頑張っていきたいと思います。
 三月二十三日には全会一致で政府に対して首長の訓練協定の調印に強く抗議する意志を明確にし、地元住民の意向を真摯に受け止めるよう要請した決議文を採択しました。 (談・文責編集部)

具体性に欠ける協定書

築上町八津田基地対策委員会会長 奥田 義人 さん

 「協定書」(前記)というのを一市二町の首長でされ、その説明もありました。しかし、あまりにも具体性がない。私は騒音対策、治安対策、事故対策の三つをキチンとすべきだと一貫して主張しています。それができなければあくまでも反対です。私は従来の自衛隊の訓練については反対していません。しかし、日米共同訓練となると米軍が来る、米兵が基地から外出するときは同行するとかいろいろな条件があります。それがどこまで守られるか。緊急時に同行と言われても、誰がどうするのか具体性がないわけです。数年前に築城基地の戦闘機が最新鋭のF2・支援(攻撃型)戦闘機に機種変更しました。その時も機種変更したときには騒音測定をするという条件であったのに、全然調査されていません。松島基地まで調査にいき、福岡防衛施設庁に調査を要求しました。今度は日米共同訓練がるのでそれとあわせてやりましょうという。そういうように先延ばし先延ばしにされてきました。
 協定書の中に騒音対策という項目がありますが、中味は騒音測定だけです。対策というのは何か手を打つことで、測定しますだけでは騒音対策ではない。騒音測定は年に何回するなど具体的に示した協定書にしないとおかしいと思います。防音工事一つとっても問題があります。例えば、道一つ隔てて片方は騒音工事ができ、もう片方は防音工事がない。騒音は変わらないのに線引きされてるなど、住民の不満があります。
 今回は、最初でもあり、意識的にやったのか、思ったほど騒音大きくなかったが、これから先は分からないと思います。
 今回の日米共同訓練で戦闘機が五機なので米軍人が五十名位は来ていると思います。米兵は基地外に出ていってストレス解消に飲食すると思います。飲食店街ではそれを見込んで一部では歓迎という気持ちは持っていると思いますが、大部分はそうではありません。
 今回は外出時には自衛隊と行政側でも同行したといいますが、緊急時など同行体制ができるのか、非常に不安です。
 私は昔の米軍が居た頃の経緯を知っております。小さい頃、怖い思い出がありますし、わたしより年配の方には口惜しいかったことなど一杯あると思います。そういうことが再びあったら困ります。
 四月から五月にかけて六十六各自治会で町執行部三役と担当課長が同席して行政懇談会が行われます。議題は米軍再編と合併後の総合計画についての説明と質疑です。私の自治会は四月二十二日に行われます。三百世帯ありますから、全員の参加は無理ですが、なるべく多くの方に出席していただいて不安を感じている皆さんに意見を言って貰いたいと思います。
 同じ問題を抱える宮崎県の新田原基地の方々とは一昨年交流しました。新富町の区長さんたち十数名といろいろと懇談しました。皆ボランティアでやっていますので経済的にも大変ですが、今度はこちらからも出ていって、できれば交流したいと思っております。沖縄や岩国からも連絡がありますので連携してやっていきたいと思っております。  (談・文責編集部)

米軍機の配備に断固抗議する!

 行橋市では3月5日、F15戦闘機の築城基地への飛来に抗議して市内の労組・市民などが結集する在日米軍築城基地配備反対京築連絡会が抗議行動を行った。写真上は基地に向かって抗議する集会参加者。
 また、同日「築城基地への訓練移転・日米共用化・海兵隊基地化に反対する会」(渡辺ひろ子代表)のメンバーら約30人が午前十時から約5時間、築上町の同基地ゲート前に座り込み抗議し怒りの声を上げた。


神奈川県・キャンプ座間
 第1軍団は来るな 米軍再編特措法反対

 座間市では引き続き市長や市議会、自治会が一体となって、キャンプ座間への第1軍団の移駐に反対した自治体ぐるみの運動が展開されている。一方、国会では米軍再編を推進するための特措法案が上程され大きなヤマ場を迎えている。

基地前で集会とデモ
労組と市民団体

 三月十七日座間市内で、神奈川平和運動センター、第一軍団の移駐を歓迎しない会、基地撤去をめざす県央共闘会議、相模原補給廠の変換を求める市民の会が主催して「いらない!第1軍団 異議あり!米軍再編推進特措法 相模原と座間を結ぶ市民行動」が開催された。
 集会は、相武台前1丁目公園と座間市役所隣の谷戸山公園の二カ所で開催し集会宣言を採択し市民へアピールしデモを行った。二カ所から出発したデモ隊は米軍再編で米陸軍第1軍団が移駐計画があるキャンプ座間前で合流し、基地前で米軍当局と政府に対してあらためて米陸軍第1軍団の移駐反対と政府が地方自治体の反発を押し切るために今国会に上程している米軍再編推進特措法に怒りの抗議の声を上げた。
 この集会とデモには約五百名が結集した。集会では主催者の各団体の代表と神奈川県平和運動センターや横須賀の原子力空母に反対して住民投票を成功させる会の代表らがそれぞれの運動の報告と連帯の挨拶を行った。

米軍再編特措法に反対する意見書採択
座間市議会

 二月九日に米軍再編特措法が閣議決定された。直後二十三日に座間市議会において、この特措法に反対する意見書が採択された。意見書では『再編交付金』制度について、『部隊の移転に伴って必要となる施設整備等の進捗状況に応じて交付する』または『交付金の交付は、米軍再編に対して当該市町村から理解が示されている場合に限られる』などの『交付要件』が示されているが、このような交付金制度を新設することは、米軍再編の影響を受ける地方自治体を『交付金』によって賛成へと誘導させようとするものであり、こうした手法に大きな怒りと疑義を禁じ得ない」として、政府当局に反対の意見書を送った。