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自主・平和・民主のための広範な国民連合
月刊『日本の進路』2007年1月号

代表世話人からの新年メッセージ

どっちが本気か ― 新春の想い

片岡  健


 暦が代わった。カレンダーは新しいのに取り替ったが、庶民の生活は一向に変わらないどころか、年毎に苦しくなるばかり。
 昨年はどういう年だったろうか。親殺し、子殺しのニュースは、視聴するに耐えない。いじめを苦に自殺する子どものことが報じられたが、新聞活字でならともかく、テレビで映像と音声を伴って詳しく報道するのは、自殺の風潮を蔓延させるお手伝いになっていると思う。まずは当たり前のことだが、社会全体が命を大切にすること。
 一方で天下りと談合がはびこり、自治体のトップの犯罪は枚挙にいとまない。老人福祉や母子家庭の補助が切下げられ、グローバルな巨大資本だけが記録的な成績をのこし、銀行や大資本の設備投資が減税の恩恵に浴すのだという。好景気の更新だなんて、ふざけるのもいい加減にしてくれ。
 安倍新内閣は経済界に背中を押されて、就任早々に中国と韓国を訪問した。小泉時代の膠着した首脳外交関係を解きほぐすのは双方の国の利益に合致して、まずは当然の仕事であった。さてこの先の日本の舵をどのように取ろうとしているのだろうか。
 元来、教育にたいする政治の不介入を定めた教育基本法が、安倍総理には邪魔だったに違いない。「美しい国」を標榜する政府が最重要法案と位置づけている本心は、思うとおりに教育を支配し、愛国心とは何であるかの中身を法律で定めること。続いての想定範囲は憲法第九条を改定して、本気で戦争ができる日本にすることである。そのような総理の頭のなかに、盟友としてのアジアの国々がでてくるわけがない。
 私たちにとって大切なことは、まずご近所である中国、韓国、朝鮮との友好関係を基本とし、東北アジアの経済・文化・歴史を第一に考えていくことが肝要である。日本がこの百年間にたどってきた侵略と膨張の政策を、これまでの政府はなんども反省したというが、謝るだけで改めなければ反省したことにはならない。改めるどころか、ふたたび同じ道を歩もうと考えているのが安倍内閣。戦後最悪の、もっとも危険な内閣である。これを選んだのが、いま圧倒的多数党の自民党だ。
 今年は、国の進路をわたしたちの考える本道にすることができるか、権力を握った安倍の本気と、本気の度合いでどちらがまさるかを競う年だと思う。ブッシュにブレーキをかけたアメリカの民主主義に学んで、安倍内閣にブレーキをかけよう。そして自分の孫世代に徴兵制がもたらされることのないように、次世代に誇りをもって日本の未来を引き継げるように頑張りたい。アジアの仲間たちから信頼される日本にするために。
干支は丁亥。ねずみで始まる十二支のラストである猪は、向う見ずに一直線に突き進むことになっているが、豚でもよいから、確信をもって着実に進もうではないか。