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自主・平和・民主のための広範な国民連合
月刊『日本の進路』2006年1月号

代表世話人からの新年メッセージ

憲法二十四条と女性と平等

大槻 勲子


 広範な国民連合賛同人のみなさん、読者のみなさん、明けましておめでとうございます。
 二〇〇五年は戦後六十年、また女性参政権実現六十周年でもありました。前大戦の悲惨な経験を必死に越えた女性参政権の獲得でした。日本は戦争で三百万人の将兵を失い、数千万人のアジアの民衆を殺傷し、遂に広島・長崎で二十余万人の国民が殺されたのです。私たちには「二度と戦争をしない」という強い決意があります。
 私たちは選挙と政治に過半の責任をもつ女性有権者として、男性有権者と共に自らの投票行動を、いかにすべきか、しっかり反省すべき政治状況をつくってしまいました。言うまでもなく、九月に行われた衆議院選挙の結果です。日本の議会制民主主義を根底からくつがえすのではないかと憂慮する状況になりました。議会全体が、異常な小泉支配に流れていく不気味さを感じています。
 にもかかわらず、自民党は結党五十周年を期に日本国憲法全面改定の攻撃を強めています。政治の舵は人権無視の戦前の暗い日本の体制に逆戻りする方向へ急激に切り替えられました。
 自民党の新憲法草案の核心は、第二章の「戦争放棄」を「安全保障」に変更、九条二項は削除、「自衛軍」の保持を明記しています。憲法二十四条は「家族生活における個人の尊厳と両性の平等」で、憲法の根本的価値「個の尊重」を示す条文として、見直しに女性たちの強い反発が出ているのですが、草案ではタイトルを「婚姻、家族の基本原則」に変えています。十二条の「国民の責務」と合わせ考える必要があり、個の尊重、及び平等が骨抜きになる心配があります。二十四条と九条は表裏一体の関係であり、九条改憲が「男は国を守り、女は家を守る」という性別役割を強化するものです。
 まさに憲政の一大危機の時に至ったと感じています。今こそ、広範な国民連合は、自主・平和・民主の理念のもと、国民有権者への政治と平和の啓発活動を強力に進めなければならない新春だと決意を新たにしています。
 与党が衆議院で憲法改正に必要な三分の二を確保したいま、次の参議院選挙における有権者の一票の行使が重要な意味をもつものだと思います。
 第百六十四通常国会は、憲法全面改定を視野に入れて、国民投票法案の上程と審議入りが予測されています。平和憲法の鍵である九条を変える国民投票法をつくることに絶対反対し、これをつぶすことから国民連合の二〇〇六年の運動を始めましょう。