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自主・平和・民主のための広範な国民連合
月刊『日本の進路』2005年8月号

長編映画「ひだるか」

上映時間1時間53分
※「ひだるか」とは三池炭坑現場では「ひもじくて、だるい」状態を表す方言。

【あらすじ】
 主人公・原陽子は、福岡中央テレビで働く花形ニュースキャスター。テレビ放送界のデジタル化の波を受けその局へ外資が参入。存亡の危機に、その対応をめぐり組合は分裂。陽子は悩んだ末、第2組合に加入。陽子の心は揺れ「ひだるか」状態。かつて三池労働者であった父・謙作は他界するが、「三井三池」現地取材を通して、父が語ることがなかった「三池争議」の本質を知る…

 

インタビュー いま「三池」を問う

監督・脚本 港 健二郎

 私の父は与論島出身ということで、差別を受け、学校にも行けず、それでもコツコツ努力して三井鉱山に入り朝鮮の子会社の軍需工場・三井軽金属に出向。敗戦後長男を引き揚げの時亡くし、本所勤務の時結核で倒れ、昭和二十八年、指名解雇の対象になりました。その時には下級職制の父が所属していた職員組合と三池労組が団結して跳ね返した。これは「英雄無き百十三日の闘い」と言われています。しかし、三池争議時は会社側につき、第二組合の結成に加担した。そうした父の影響もあり、三池争議当時、私は三池労組に批判的でした。学生時代に与論島差別を知り、三井化学の幹部社員のお嬢さんに恋をし、「階級社会」を意識。卒業後、鹿島建設の子会社の鹿島映画に就職し、助監督などやったりしながら労働組合を作りました。しかし、組合の規約の中にスト権を定めていない。親会社の鹿島建設組合自体も同様でした。それでも団結し、少しでも労働条件を改善していこうという組合活動でした。そういう中で、三池争議の意味を問い直しました。
 三池争議の背景にはエネルギーを石炭から石油へという国策があり、日米安保と結合しつつ、アメリカ独占資本が強引に日本のエネルギーを石油に変えていた。
 このドラマに展開されるメディアのデジタル化にしても、強引な国策の中で揺れ、悩み苦しむのはやはり働く人々である。
 一見華やかな職場も、一皮むくと、大きなデジタル化の荒波を受け、大変苦悩している。今リストラが平気で行われる時代、だけどあの当時は、そのことで全国から、延べ人数ではおそらく数百万人が駆けつけ連帯し真正面から闘いを挑んだわけです。
 やはり、団結が大事です。三池争議と無縁と思われる若い人たちへも労働者が団結することの尊さを実感し、ジワーッと胸に落ちていただければいいなという思いを込めています。大牟田での試写会で、若い世代から「全然知らなかったけれども、そういうエネルギーの発揮された場所だということを知り、大牟田を好きになった」という反応があり、映画を作った狙いの一つが達成されたと思いました。(文責 編集部)
問い合わせ 映画「ひだるか」製作上映委員会
〒616-8003 京都市右京区竜安寺池ノ下町12-32
電話090-9332-6387(港) FAX075-461-4605