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自主・平和・民主のための広範な国民連合
月刊『日本の進路』2003年10月号

平壌宣言から一周年

日朝国交正常化を実現しよう


 昨年の平壌宣言から一年が経過した。国交正常化の再開を確認したにもかかわらず、日本政府は米国のブッシュ・ドクトリンに沿って、異常な北朝鮮敵視を展開し、国内では排外主義をあおっている。このような中で、日朝国交正常化を求める取り組みが各地で行われた。文責編集部。

日朝国交正常化を求め 東京で市民団体が集会

 九月十七日、東京で「日朝平壌宣言から一年〜朝鮮半島の平和と日朝国交正常化をめざす集い」が開かれ、二百人以上が参加した。沖縄・一坪反戦地主会関東ブロックや在日韓国民主統一連合などによる実行委員会の主催。
 主催者あいさつに続き、松尾高志・大阪経済法科大学客員研究員と西野瑠美子・「『戦争と女性への暴力』日本ネットワーク」共同代表の二人が発言した。松尾氏は、朝鮮半島「危機」は米国が引き起こしていることを具体的に説明し、「朝鮮民族自身の手で問題を解決することが重要」と指摘した。そのためには、米国の朝鮮半島政策の転換、日朝国交正常化、戦後処理への努力が必要であることを訴えた。
 西野氏は、平壌宣言にある「植民地支配の痛切な反省と心からのおわび」に関連して「朝鮮半島の平和のためには日朝国交正常化が不可欠であり、まやかしでない植民地支配への反省が必要だ」と訴えた。また、アジア蔑視の排外主義発言を繰り返す石原都知事が、かつて元日本軍従軍慰安婦に対して「金が入ればという思惑で動く卑しい人々」と侮辱したことをなど指摘して、反動的政治家を許さない闘いを呼びかけた。
 集会では、民族学校への差別撤廃運動、反グローバリゼーション、イラク戦争反対、北朝鮮人道支援などを取り組む市民からアピールがあった。また、五十川孝・平和フォーラム事務局長は十月九日に予定されている大規模な「北東アジアに非核・平和の確立を!日中国交正常化を求める集会」への参加を呼びかけた。
 最後に朝鮮半島と東アジアの平和のため、日米政府の北朝鮮敵視政策に反対し、日朝国交正常化を求める世論を形成することを呼びかける集会アピールを採択した。

キャンドルによる人文字で「オッケンドンム」

 九月十七日、キャンドルで人文字をつくり、朝鮮半島の平和と友好を訴える取り組みが行われた。日本人や在日韓国・朝鮮人の若者によるピース人文字実行委員会の主催。
 明治公園に集まった約七百人がキャンドルを持って、漢字の「友」、ピースマーク、ハングル文字の「オッケンドンム」をつくった。「オッケンドンム」は肩を組むような友だちという意味。
 会場ではライブやスピーチ・ラリーなども行われた。

 高知で日朝連帯集会
 米国は敵視政策をやめよ

 八月二十九日、高知市で「日朝連帯青年女性集会」が開かれた。実行委員会の主催。
 最初に、関東大震災での朝鮮人虐殺事件の生き残りの人びとの記録映画が上映された。
 森正孝・静岡大学講師が「『共和国』の核開発・拉致問題と米(日)朝問題の本質」と題して講演を行った。森氏は、朝鮮民主主義人民共和国(以下、共和国)の核をめぐる問題は、「休戦状態という米朝関係の下で米国が『共和国敵視政策』を進めていることに原因がある」と述べた。「ブッシュ政権は『テロ支援国家』『悪の枢軸』と名指しし、『北朝鮮も先制攻撃の対象』と発表し、戦術核の開発を検討している。この動きに共和国が対抗措置を取った。これが核開発問題である」と指摘した。したがって、「問題解決には米国が敵視政策をやめ、米朝関係が正常化するよう日本や周辺国が米国に求めることが必要だ」と訴えた。


◆九月十七日、「日朝平和と友好の集い」が大阪市内で開かれた。日朝の女性や青年団体、日朝音楽芸術交流会などによる実行委員会の主催。
 吉田康彦・大阪経済法科大学教授が記念講演を行い、「日朝平壌宣言を履行することが国交正常化の早期実現と北東アジアの平和と安定をもたらす唯一の道だ。いばらの道だが、隣り合う民族が信頼しあい、共存共栄していかなければならない」と訴えた。
◆九月十二日、日朝国交促進国民協会主催の日朝首脳会談一周年記念講演会「日朝平壌宣言と六者」が東京都内で開かれ、約百五十人が参加した。