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自主・平和・民主のための広範な国民連合
月刊『日本の進路』2003年9月号

民主・自由党合併に期待できるのか?

月刊『日本の進路』編集長 川崎正


 七月二十三日、民主党の菅代表と自由党の小沢党首が会談を行い、両党が九月末までに合併することで合意したと発表された。
 小泉首相が九月自民党総裁選、十一月総選挙の方針を固めた。政局の焦点が総選挙に移る中で、白紙に戻った合併問題が急速に動き出した。
 マスコミは、「強力な野党の出現」「政権交代の可能性が高まった」などと合併する民主党への期待感を一斉にあおっている。
 民主・自由党を中心とする政権が実現すれば、国民の望む政治が実現するのか、検証してみたい。

◆財界のための改革政治◆
 自由党は解散して民主党に合流、政策も民主党の政策を継承するという。民主党は自民党など保守政治家に旧民社や社民党の一部など労働運動を基盤にする勢力を巻き込んで、財界のための保守二大政党制の一つとして誕生した政党である。
 民主党の外交・安保政策は、自民党と同様に対米追随である。先の国会で有事法制に賛成した民主党に多くの国民は期待できるだろうか。「民主党が政権を握れば自衛隊のイラク派兵はしない」というが、近づく総選挙目当てにすぎない。なぜなら民主党は自衛隊の海外派兵のための基本法制定の必要性を訴えている。
 国内政策でも民主党は、多国籍化した大企業のために、徹底した改革政治を小泉と争ってきた。民主党の小泉批判は、「改革が不徹底」というもので、大銀行への公的資金投入、民営化、規制緩和、行財政改革、地方分権改革などでは与党以上に国民犠牲の改革案を提示している。
 したがって合併民主党が政権をとれば、自民党内「抵抗勢力」などを抱える小泉以上に、徹底的な国民犠牲の改革政治を進めるだろう。

◆財界主導の保守二大政党制◆
 経済同友会の北城恪太郎・代表幹事は「小選挙区の導入以来、二大政党の政権交代が可能な仕組みができることが望ましい」「今回の合併で二大政党の形が整った」と歓迎している。日本経団連の奥田会長も「与野党対決の構図を作りたいという意図が背景にあった」と評価した。
 多国籍化した大企業は、冷戦後のグローバル化する世界資本主義の下で、激化する国際競争に勝ち抜くために、国内コストの徹底した削減、市場開放や規制緩和を求め、そのための改革を強く要求してきた。
 日本経団連は、今年一月「奥田ビジョン」を発表し、「ここ一〜二年が決戦前夜」「抵抗を打ち破れ」と、改革加速化の大号令を発した。そのために二大政党制への誘導を狙い、企業の政治献金のあっせん再開を発表。政治家、政党に財界が望む改革政治の取り組み具合で点数をつけ、資金を配分するという、金による政治再編に直接乗り出したのである。
 「自民党を壊しても」といった小泉の手法、その改革政治も限界が見えてきた。他方で、民主党は有事法制に賛成するなど、財界のための党として「成長」し、二大政党制に向けた再編の条件が整ってきた。九三年の自民党単独支配の崩壊と細川連立政権の発足以来、政治再編の主役を演じてきた小沢が、今回も財界の意向を受けて策動している。

◆危機の中、政治再編を焦る財界◆
 小沢らは、社民党に解党と合流を求めている。二大政党制の障害となる社民党とその影響下にある労働組合の取り込み、無力化が狙いである。
 進み始めた政治再編は、財界主導の保守二大政党制への策動である。しかし、深刻な経済危機が進む中で、改革政治は国民に一層の犠牲を強いるもので、国民的反発を招くだろう。財界や小沢らの強引な手法は焦りと余裕のなさの現れである。
 自公保政権も、民主党政権も、どちらも大多数の国民は犠牲を強いられる。また民主・自由党で憲法九条など護れる保証はない。国民大多数の政治を実現するには、財界のための保守二大政党制に幻想をもたず、改革で苦しむ国民各層の団結した力で政治の転換を求めるべきである。また、ブッシュ政権の戦争政策に反対し、広範な国民運動を展開し、自主平和、アジアの共生の国の進路を切り開こう。