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自主・平和・民主のための広範な国民連合
月刊『日本の進路』2002年7月号

失業者が怒りの国会行動

国会にひびく職よこせの声


 六月十四日、失業者が国会行動にたちあがりました。
 国会近くの星陵会館には、首都圏を中心に全国から三百人以上の失業者とサポーターが結集。厚生労働省交渉に四十名の代表団、議員会館での院内集会に約百五十名、そして全体での決起集会、デモと、失業者の仲間は日頃の思いのたけをぶっつけるかのように、精力的に行動しました。失業を生みだす政治を変える大きな大きな一歩となりました。


 厚生労働省交渉

 午後一時半より行われた厚生労働省との交渉には首都圏連絡会に結集する約四十人の失業者と支援者が参加した。社民党の植田至紀・衆議院議員が仲介し、冒頭、失業者ネットワーク首都圏連絡会代表の預良勝さんが厚生労働大臣宛への要請書を手渡した。
 参加した十九歳から六十歳代までの失業者から深刻な実態と抜本的な対策を求める声が次々と上がった。
▼「三人目の子どもの妊娠で残業できなくなり九年間働いていた製薬会社をリストラされた。会社を辞めたので子ども二人が保育園から追い出された。新しい仕事をさがしているが子どもがいることで断られている。零細企業で働く夫に何かあったら家族五人が路頭に迷う」(女性)。
▼「今年五月に会社都合で解雇された。失業中なのに住民税など税金が前年の収入で請求される。免除や軽減措置を」(男性)。
▼「職安の紹介である病院に看護士として就職した。しかし、職安で紹介された条件はまったくでたらめ。医師自らもでたらめさを認めている。職安で指摘した後も同じ求人票が入っていた。内容が違うと病院に異議を唱えたら解雇になった」(女性)。
▼「会社都合退職後、ハローワークの紹介で機械製図のキャドの講習を受けたが本来一年の講習を三カ月に短縮したもの。卒業証書をもらい就職活動したが、実績がないという理由で採用されない。いろいろな講習を受けても、実績がないことを理由に就職できない人たちがたくさんいる。対策を」(男性)。
▼「昨年十月に職安の紹介で新しい機械のトレーダーとして、一から教えることを条件で入社した。ところが二カ月前に、経験が足りないとの理由で辞めてくれといわれた。経験が浅い人でも就職できるような支援をしてほしい」(男性)。
▼「今年、高校卒業した。在学中から就職活動をやってきたが就職できなかった。卒業後もハローワークに通ってさがしているが受付の対応は不親切。とりあえずアルバイトをやっているが、一日も早くきちんと就職したい(十九歳、青年)。
▼「昨年リストラされた。恥ずかしいのと、くやしいのと、暗くなって買い物に行っている。失業者のそういう気持ちを分かってほしい。仕事があっても五十四歳まで。六十歳過ぎても働ける人はたくさんいる。窓口を拡大して」(女性)。
▼「すでに決まっているのに求人を続けるなど、ハローワークの対応は誠意がない。そういう実態を厚労省は知っているのか。厚労省の態度を見ていると、私たちとの間に深くて渡りきれない川を感じる。失業者の実状を真剣に認識してほしい」(女性)。
▼「高卒、大卒の未就職問題は深刻。アルバイトをしながら職安に通おうと思っても五時に職安は閉まってしまう。ヤング・ハローワークは都内に二カ所だけで、求人数が少ないし、アルバイトや派遣ばかり。若者は正規社員を求めている。厚労省はどういう若年層対策をとっているのか」「大学卒業して、ハローワークに通っているが、毎回消耗して帰ってくる。まともな求人票は二割程度だという話を聞くし、経験や性別などハードルが多い。就職できない若者の不満が爆発するのではないか」(青年)。
▼「厚生労働省の方は、失業者の実態やホームレスの実態を本当につかんでおられますか。実態をつかまなければ対策は出せない。われわれがここに来るよりも、あなた方が、失業者の現場に来るべきではないか。無策が続くと子どものホームレスも出てくる」(男性)。
 厚労省から十二人も参加したが、「責任は誰ですか」の質問に、お互いに顔を見合わせるだけ、無責任ぶりを発揮した。


 熱気の院内集会

 二時二十分から衆議院第一議員会館の会議室では約百四十人の失業者が参加して、「怒りの国会行動院内集会」が開かれた。集会には社民党から衆院議員の重野安正氏、金子哲氏、菅野哲雄氏、保坂展人氏、植田至紀氏、中川智子氏、北川れん子氏(代理)、参院議員の福島瑞穂氏(代理)、民主党からは衆院議員の細川律夫氏(代理)、参院議員の藤井俊男氏(代理)が出席した。
 集会の冒頭、重野氏が「現在審議されている有事法制、個人情報保護法案、郵政公社化法案など断固反対である。雇用情勢は戦後最悪で労働者の賃下げも歯止めがきかない。年金も引き下げられ、医療負担も増えれば景気はよくならない。小泉改革のしわ寄せの結果として皆さんの訴えを受け止め、一緒にがんばりたい」とあいさつ。
 失業者ネットワーク川崎の仲間が首都圏連絡会の要請書「失業者は要求する」を読み上げ、失業対策の抜本的強化と失業者を出さない政治への転換を求めた。
 植田議員が、厚労省交渉について報告、無責任な厚労省の対応を批判し、引き続き政府の対応をただしていくと決意を述べた。
 集会では、失業者の厳しい現状と対策を求める訴えが相次いで出され、失業者と議員が一体となって奮闘することが確認された。



怒りの決起集会

 三時三十分より、星陵会館ホールで、三百人をこえる参加者全員による「怒りの決起集会」が開かれた。
 最初に厚労省交渉について失業者ネット川崎の連絡担当者の瀬川信雄氏から、厚労省の無責任な対応ぶりが報告され、会場から怒りの声が上がった。
 続いて、首都圏連絡会代表の預良勝氏からこれまでの行動の経過と以降の運動の進め方が提起され、参加者全体の拍手で確認された。
 次に首都圏連絡会に参加する各ネットのから発言があった。失業者ネット・埼玉は「厚労省は失業者の置かれている状況をぜんぜん分かっていない。今日はたくさん参加して心強く感じた。今後も力を合わせて頑張りたい」と発言。東京都民ネットは「厚労省の職員十二人の対応を通じて今の政府の姿勢が見えた。今日の行動を第一歩にしたい」と発言。失業者ネット・川崎は「川崎市に対する要請行動もやったが役所の対応は権力の中枢に近づくほど対応が悪い。失業は生死にかかわる問題だ。さらに全国的な行動を願っている」と発言。失業者ネット・神奈川県央の参加者は「綾瀬市にも要請行動を行った。さらに仲間を増やしたい」と発言。失業者ネット・横浜は「役人にお願いするだけではどうにもならないと感じた。やはり、みんなの力でやらないと勝ち取れない」と訴えた。青年ネットワークは「役人がこれほどいいかげんなものかとあ然とした。国民の上にあぐらをかいているだけ。彼らの意識を変えていけるのは、今日のような行動だけだ」と発言した。
 さらに三重からの参加者は「皆さんの活動に感動した。地元ではがんばりたい」と決意表明。大阪からの参加者は「現在失業中だが、みなさんと行動を共にでき本当によかった」と発言。
 次に各界支援者から激励のあいさつが行われた。
 連合の龍井葉二・総合労働局長は「連合でも数年来、雇用問題を取り組んできた。ハローワーク前でのアンケートでは『採用時・面接時の年齢制限の問題』『政府が職をつくれ』『失業手当など生活保障問題』が圧倒的な声だった。痛みは当然と思っている小泉内閣に私たちの仕事と暮らしはまかせられない。一緒に行動したい」と呼びかけた。
 JAMの高村豊・組織局長は「JAMの約八割は中小企業の労働組合だ。この二年間で倒産が八十件、事業所閉鎖が五十九件、希望退職など人員整理が二百九十件起こり、多くの仲間が職場を追われた。昨年の製造業では戦後最大の新潟鉄工所の倒産の背景には、金融機関の不良債権処理の政府方針がある。国民の痛みを強要する小泉内閣に、大きな声で政策の転換を求めよう」と訴えた。
 外国人労働者の人権問題に取り組んでいる日本キリスト教協議会の小山氏は「失業者の皆さんの要求は当然だ。日本では人口の二%の外国人が厳しい就職差別、低賃金の状況に置かれている。一緒に行動したい」と発言した。また牛肉偽装事件で解体に追い込まれた雪印食品の労働組合である雪印一般労働組合の本島財政部長は「今回の事件で長年の誇りをなくした。年間三万人以上が自殺しているが、われわれは生きて親会社の雪印乳業に雇用確保を求めて闘っている」と訴えた。
 司会から部落解放同盟東京都連の代表や自治体議員が紹介された。緑の党・対馬テツ子党首が「小泉政権の有事法制を進めるやり方と大量失業を生み出すやり方は一体のもの。皆さんと一緒に政府に断固反対して闘う」と訴え、預代表にカンパを手渡した。
 集会は最後に「全国数百万人の失業者の仲間たちに呼びかける」(別掲)を確認し、デモ行進に移った。
 デモ行進の途中、衆参の議員面会所では社民党の福島瑞穂参院議員をはじめ、社民党衆参議員、民主党の大出彰衆院議員などに要請を行い、激励のあいさつを受けた。デモ隊は首相官邸前などでは怒りの声を強めながら、解散地の日比谷公園まで元気よく行進した。日比谷公園では各ネットごとに総括集会を行い、今後の運動の発展を確認した。

◇星陵会館では、厚労省交渉や院内集会に参加できなかった失業者、支援者による集会が開催されていた。四月の連合主催の国会行動に参加した失業者の記録ビデオ「失業者国会に行く」の上映や生田卍(まんじ)さんの歌などで参加者を激励した。
◇怒りの国会行動を支持した広範な国民連合に全国から寄せられたメッセージやカンパは首都圏連絡会に届けました。ご協力をいただいた皆さんに誌上でお礼を申し上げます。


全国数百万人の失業者の仲間たちに呼びかける

 もう泣き寝入りはやめよう。そして、失業を生みだす政治を変えるために行動しよう。

 私たち失業者は、倒産、事業所閉鎖や会社の一方的な都合で解雇や退職に追い込まれました。長期不況に加えて、不良債権処理や空洞化という、小泉改革と政府の産業『無策』が失業や倒産に追い打ちをかけていることはまちがいありません。
 世帯主の失業者は全国で100万人を超え、中高年者にはほとんど職がありません。学校を卒業しても就職口が見つからない若者は増え続け、社会への門を閉ざされています。職を失ったばかりか、電気やガスを止められロウソク生活で焼死した人、餓死した人、路上生活を強いられている人、自殺に追い込まれる人も後を絶ちません。今や失業問題はだれにとっても他人事ではなくなりました。
 私たちは、これまで働いて多くの富を生み出し、税金を納めてきました。なぜ、真面目に働いてきた労働者が突然職を失い、精神的にも、経済的にも追い詰められ、苦しみを味わわされるのか。
 もうガマンできない!と私たちは今日、国会行動に立ち上がりました。
 「政府や自治体は私たちに仕事をよこせ」「企業は労働者を使い捨てにするな」「失業者が生きてることを保障せよ」一首都圏の失業者たちが厚生労働省と国会にぶつけたこの怒りの声を日本中にひろげ、全国津々浦々の失業者の仲間たちに伝えたいと思います。
 私たちは、全国の失業者の仲間たちに呼びかけます。いっしょに立ち上がりましょう!そして泣き寝入りせずに闘っていきましょう。失業を生みだす政治を変え、人間らしく暮らせる社会と国民を守る政治を要求しましょう。
 2002年6月14日
       職と生活保障を求める失業者ネットワーク首都圏連絡会