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自主・平和・民主のための広範な国民連合
月刊『日本の進路』2002年3月号

Monfhly 沖縄 2002年2月

日米安保のみえる沖縄の動き


2月4日 沖縄市園田の駐車場に止めてあった軽自動車を横転させたとして、在沖米海軍キャンプ・シールズ所属の米兵二人を逮捕。二人とも酒に酔っていた。

2月7日 名護市辺野古の海岸から約百五十メートル沖の海底で、米軍のものとみられる煙幕弾のようなもの約二十個の入った箱一個を発見。

2月11日 自民党の「日米地位協定を勉強する会」(下地幹郎会長)や社民党の東門美津子副党首など超党派の県選出国会議員ら有志が、日本の法令尊重義務や環境保全対策、公務外の事件・事故時の被害補償の在り方などを改善した新たな日米地位協定の素案をまとめた。有志らは党内調整を踏まえ、超党派で共同提案する意向。有志らは昨年九月ごろから勉強会を重ね、専門家や弁護士、米軍人事件の被害者の会から意見を聴取。参加した国会議員は五、六十人に上る。

2月13日 在日米海軍が二月四〜八日、沖縄近海の提供水域内でミサイル発射訓練を実施していたことが判明。同訓練は「実際の戦闘に向けた重要な訓練」と米海軍司令官。

2月14日 日韓のNGOが、米軍基地と環境問題について話し合う沖縄・韓国環境シンポジウムが名護市で開かれた。主催は沖縄環境ネットワークと韓国環境運動連合。十五日には那覇市でも開かれ、米軍基地が及ぼす環境汚染や人権侵害、都市計画の妨げになっている日韓の現状を発表。今後、地位協定改定など問題解決に向けた連帯を確認。

2月16日 ブッシュ大統領の初来日に伴い、非常時に米大統領を乗せて軍に命令・指揮できる国家緊急空中指揮機一機が嘉手納基地に飛来。

2月19日 名護市議会は、相次ぐ原野火災や米兵事故について抗議決議を全会一致で可決。

2月22日 午前三時十分ごろ嘉手納町嘉手納の国道五八号で、酒気帯び運転の米軍属(21)の乗用車が、交通整理の警備員(63)をはねた。

2月23日 宜野湾市の米軍普天間飛行場内で発見された不発弾一発が、普天間第二小学校のフェンスから約百メートルの基地内で処理された。処理時間、小学校内には子供たちが在校していた。爆破処理の連絡の際、市が時間変更を要請したが米軍側は受け入れなかった。

2月26日 米空軍嘉手納基地の騒音公害が深刻化し、二十六日までの数日、一日騒音発生回数(六〇デシベル以上)が四百回を超えた(一月の日平均は約百回)。二十六日は四百十七回、最高騒音値が一〇九デシベルと環境基準を大きく上回った。

基地跡地から廃油入りドラム缶
1月29日 北谷町美浜の桑江中学校に隣接する民有地で、地中からコールタール状の廃油が入ったドラム缶が大量に見つかった。現場は一九八一年まで米軍キャンプ瑞慶覧の射撃場として使用されていた。県によると、復帰後の米軍が絡む環境汚染は三百四十件余り。県が立ち入り調査できたのは半数にも満たない。

2月1日 ドラム缶は「米特許」などの英字があり、国内では珍しい構造と判明。一九七八年の現場の写真を分析した結果、それまで国道五八号より低かった土地が、同年には国道とほぼ同じ高さまで土が盛られていた。返還後ドラム缶投棄の通報がないことから、町は「米軍が埋めたものに間違いない」と判断。

2月5日 北谷町がドラム缶と廃油、汚染された土壌などの撤去作業を開始。数百万円の撤去・保管費用は当面北谷町が負担。

2月7日 北谷町の辺土名朝一町長は那覇防衛施設局を訪れ、山崎信之郎局長に「ドラム缶を埋めたのは米軍と特定した」とする調査報告書を提出。国の対応の遅さを指摘し、早期撤去などを求めた。

2月8日 北谷町議会は、日米両政府の責任に基づく原状回復や、責任を明確にするための日米地位協定改正などを求めた意見書を全会一致で可決。意見書は、基地返還で米国が原状回復義務を負わないとしている点について「有害物質を放置または地中深く埋めたまま返還しても、原状回復義務も補償責任もないとするのは公平の原則に著しく反する」と批判。国、県には日米両政府の責任による原状回復、地位協定の抜本的見直しなどを要求。

2月11日 稲嶺知事は嶋口防衛施設庁長官と懇談。「基地の環境問題は日米地位協定で取り組まなければ前進しない」と浄化責任の明確化や協定改正が抜本的な解決策と強調。

2月12日 撤去作業中に発見されたものも含め、合計百四十二本のドラム缶を撤去。

実弾訓練による原野火災相次ぐ
2月5日 名護市のキャンプ・シュワブ内のレンジ10付近で午前九時二十分ごろ、原野火災が発生。

2月20日 名護市のキャンプ・シュワブ内のレンジ10付近で午前十時二十五分ごろ、原野火災が発生。午後三時四十一分の段階で、二十八万五千平方メートルの範囲内で延焼。二十一日午前七時四十分、鎮火。

2月21日 キャンプ・ハンセン演習場内で午前九時ごろ、原野火災が発生。午前だけで二千平方メートル余が延焼。

2月27日 恩納村議会は米軍キャンプ・ハンセン内で発生した原野火災に対し、実弾射撃訓練・爆破訓練の即時廃止や原因・焼失面積を明確にすることなどを求める抗議決議と意見書を全会一致で可決。
・名護市議会軍特委のメンバーが那覇防衛施設局や県、在沖米総領事館などを訪れ、演習場での連続火災発生や名護市街地での米兵の当て逃げなど米軍の事件・事故に対し、再発防止などを求めた。
・金武町のキャンプ・ハンセン内レンジ4着弾地付近で午前十時五十分ごろ、原野火災が発生。火は約十三万平方メートルの原野を焼き、午後四時四十八分に鎮火。米軍演習中の原野火災は今年に入って六件目。すでに昨年一年間の五件を上回った。米軍演習による原野火災は、復帰後二〇〇一年末までに四百十三件。これまでに県土面積の十三倍余となる延べ三万一千百三十四平方キロメートルが焼失。