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ブッシュ大統領の訪日に際しての
日本政府への要請

内閣総理大臣 小泉純一郎 殿
外務大臣   川口 順子 殿

 ブッシュ米大統領は2002年の一般教書演説において、今年を戦争の年と予告し、イラン、イラクとともに、朝鮮民主主義人民共和国を「悪の枢軸」と非難し、攻撃目標とすることを宣言しました。
 非難を受けた三国はもちろんのこと、米国の同盟国である英国をはじめとする欧州諸国、ロシア、中国などを含む国際社会は、ブッシュ大統領の演説に対して非難、反対、あるいは懸念を表明しました。米国の世論と民衆も「悪の枢軸」という言い方に賛成していません。
 しかし、ブッシュ大統領の発言が北東アジアの平和維持にとって大きな妨げとなっているにもかかわらず、わが国政府はこれに対する態度を明らかにしていません。ブッシュ大統領の演説を是認あるいは黙認するということでしょうか。
 隣国の韓国政府もブッシュ大統領の演説に反応して、朝鮮民主主義人民共和国の核疑惑問題を戦争ではなく交渉によって平和的に解決することを米国政府に求めました。北東アジアの平和維持を願う韓国政府としては、当然の措置と考えられます。
 もしもわが国政府が、北東アジアの紛争が軍事的なレベルにエスカレートすることを望んでいないのであれば、日本としても韓国の立場に同意するむねの態度表明を米国に対して行うとともに、朝鮮民主主義人民共和国との国交正常化の努力を進めて、米朝交渉の推進を側面から支えるべきだと思います。
 そうすれば、北東アジアの平和維持のためにかなりの貢献となるに違いありません。また、韓国の平和外交努力に協力することは、ワールドカップ・サッカー大会の共同主催国としての礼にもかなうものです。
 以上のような観点から、私たちはブッシュ大統領の日本訪問に際し、わが国を代表する貴職がブッシュ大統領に対して、次のようにわが国の態度を表明するよう要請します。

 1、日本政府は、朝鮮民主主義人民共和国との国交正常化の努力を進め、米朝交渉の推進を側面から支えること。
 2、日本政府は、朝鮮民主主義人民共和国の核疑惑問題を戦争ではなく交渉によって平和的に解決することを米国政府に求めた、韓国政府の要求に同意すること。

   2001年2月15日

                      自主・平和・民主のための広範な国民連合
                       代表世話人 大槻 勲子  福地 曠昭
                             伏見 康治  槙枝 元文
                             武者小路公秀 本島  等