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代表世話人からの新年メッセージ
昨年は「戦争の二十世紀」から脱却できる輝かしい二十一世紀が迎えられるものと期待していました。
その夢は米中枢同時多発テロ事件で打ち砕かれてしまいました。アフガン戦争が広がり、『第三次大戦』の「戦前」に入ってきました。
二〇〇一年は私の生まれた昭和六年の「満州事変」から七十周年でした。日本軍は柳条湖で満鉄道を爆破して、それを中国軍のしわざだといつわり戦争を起こしました。
それにも飽きず、昭和十二年に支那事変（日中戦争）を起こして南京、漢口に侵攻し、大量虐殺をくり返しています。日本はアジア侵略者としての反省は口だけです。小泉首相の靖国神社参拝・教科書改ざん等と史実を曲げアジアの人々から激しく反発されています。国内ではアメリカにこびを売って一挙に戦時体制を築きました。現憲法を無視して自衛隊をはじめて外国の戦場に送りこんで国民の戦意をあおっています。戦線を拡大し、文民統制が効かなくなって徴兵制まで『魔手』を伸ばしかねません。既成事実をつくって戦力不保持の憲法第九条の改悪にふみ込むことでしょう。
沖縄の現状からそれを予期させられます。今年は復帰三十周年になります。県民は平和憲法を強く渇望して基地が縮小され、生活も本土なみになることと期待していました。当時、日本政府はそれを約束しました。しかし、密約が結ばれ「核ぬき本土並み」は裏切られたのです。逆に核基地としての機能が強化されました。その上に日本軍（自衛隊）が押し寄せてきました。日本軍が上陸するときまって沖縄に不幸なことをもたらすジンクスがあります。昭和十九年三月に第三十二軍が沖縄で編成されたとき、第一弾が徳之島沖で米潜水艦に撃破され、約四千名が犠牲になりました。軍事機密にされ、戦後明らかになったのですが、はじめから軍隊は戦意を失っていました。本土決戦のために持続戦を強いられ二十数万人の生命が失われたものです。沖縄戦は次の教訓を生みだしました。二の舞をしたくないと思います。第一に戦争は軍人より住民の犠牲が多いということです。アフガン戦争もしかりです。第二に軍隊と基地が最も危険で、標的にされたことです。全国の七五％が沖縄に集中し、三万の米軍が駐屯している限り、沖縄は最も危険な地域といえます。第三に、戦後、飢餓、マラリア等で犠牲者を多く出したことです。戦闘が済んでも沖縄戦は肉弾戦でしたが、いまはコーヒーを飲みながらボタンを押すゲームとなり、民間人の恐怖と犠牲が目に入りません。現在、沖縄の米軍基地は県外からの機動隊四百五十名が警備に当たり、観光客が激減し、失業率が九・三％となりました。いかに米軍基地が不安定な生活を強いているかを思い知らされています。
最後にこの一年沖縄問題を真先にとりくんできた広範な国民連合に感謝し「戦後が戦前に」「本土が沖縄化」しないように共に闘いましょう。当面、普天間基地の移設をくいとめるために全国のお力を貸してください。