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自主・平和・民主のための広範な国民連合
月刊『日本の進路』2001年10月号

「違法な爆音を止めろ! 厚木基地はいらない!」

11・18大行動に参加を

厚木基地爆音防止期成同盟委員長、県央共闘会議議長  鈴木 保


憲法無視の米軍協力法案

 政府は、今回のテロ事件を契機に米軍の報復戦争に協力できるようにな新しい法案を作ろうとしています。当面の法案が時限立法であろうと、やがては有事法制、人権抑圧などが出てくると思います。小泉内閣は、戦争ができる国に大きく踏み出そうとしています。
 小泉人気もあり、マスコミがアメリカの情報を批判もせず一方的に流している。そのために、「あのテロで日本人も犠牲になった。アメリカが報復するのは当然だ。そのための訓練だから厚木基地の騒音も我慢すべきだ」という意見が一部の市民の中に出ています。
 なぜテロが起きたのか、なぜアメリカが標的にされるのか、マスコミはきちんと報道する責任がある。
 世界一の軍事大国であるアメリカは、資源を大量に消費する経済大国。一方、アジア、アフリカなどでは貧しいために紛争があとを絶たない状況がある。アメリカに反抗する国に対しては、爆撃や経済封鎖をやる。爆撃も非人道的だが、経済封鎖も非人道的だ。そのために罪もない人たちが犠牲になっている。さらに地球環境に大きな影響を与える京都議定書に合意していたのに、ブッシュ政権になるととたんに拒否する。こうしたアメリカのやり方に世界中が反発している。テロは許せないが、その背景をきちんと追及すべきだ。また、テロに対して報復戦争では何一つ解決しない。
 一番悪いのは、一から百までアメリカの言うとおりの日本の政治とマスコミ。米軍基地にも、日米安保に異議を唱えない。それどころか、新保守主義と言われる連中が、「憲法があるから何もできない」と憲法がじゃまだという言い方をする。戦後の日本は、侵略戦争を反省して、日本は軍隊はもたない、平和的手段で紛争を解決していくという平和憲法を理念として五十年やって来た。ところが、その憲法があるから何もできない、という言い方で平和憲法を批判する。とんでもないことです。

すさまじい爆音

 報復戦争の準備を進める在日米軍基地の動きも活発になっている。空母キティホークが六月に入港した頃から、厚木基地では艦載機による離着陸訓練が多くなり、とくに八月はじめから激しくなった。テロ事件が起きた直後は中断したが、九月十四日の昼間から十八日までが一番ひどかった。一日に三百回をこえ、四百五十回という日もあった。休日も関係なく、昼間離着陸訓練(DLP)、夜間離着陸訓練(NLP)が続いた。本来なら事前通告があるはずなのに、米軍はまったく無視して強行した。急発進、急旋回、編隊飛行など爆音はすさまじく、「子どもが寝付けない」「ひどすぎる」など大和市や綾瀬市の周辺自治体には二日で千件をこす苦情があった。
 われわれは九月十四日に防衛庁に申し入れを行った。(1)厚木での異常な訓練は中止して硫黄島に移転すること、(2)七月二十八、二十九日のデモフライトは中止された。しかし、八月二日に行われた厚木基地の飛行隊長の交代に伴う式典飛行(五機編隊で基地周辺を低空で三周)に対する抗議、(3)横田基地の滑走路補修工事に伴う米軍機の厚木移転の中止などを申し入れた。
 防衛施設庁から二十九日に文書回答がありましたが、米軍の言うことをそのまま鵜のみにしたひどい回答でした。異常な艦載機離着陸訓練についても米軍に抗議すらしない。
 九月二十四日には、滑走路北側の広場で地元住民約百五十人が集まり、「違法爆音、NLP反対住民集会」を開きました。横田基地の訴訟団も駆けつけてくれました。「違法爆音やめろ」「報復戦争反対」という短冊をつけた六十個の風船を上げました。二十五メートルの高さまでは航空法で認められています。
 翌日の二十五日夕方には、滑走路の北側の「憲法磨きの丘」で「怒りの炎集会」を開きました。労働団体も参加してくれました。「違法爆音はやめろ」「NLPやめろ」「住民を戦争に巻き込むのはやめろ」というスローガンで、火を燃やす抗議行動をやりました。一昨年、三十年ぶりに「火燃し」の実力行動が新聞で取り上げられ、外務省の役人が怒って取り締まれと言ったが、市道でのたき火ですから違法な行動ではない。
 沖縄や神奈川をはじめ全国の米軍基地、および自衛隊基地の地元では、基地被害に反対し、基地の撤去を求める様々な運動があります。それぞれの運動を展開するだけでなく、全国的なネットワークが必要だと思います。とくに周辺事態法が制定され、米国テロ事件を通じて憲法がますます無視され危険な動きが強まっている時期です。相模補給廠ではテロ対策の名目で、米兵が金網越しに機関銃を市民に向けている。異常な状態です。同じ基地を抱えているわけで、共通点を大事にしながら、全国的に力を合わせるようなネットワークを考えるべきだと思います。

十一月十八日の大行動に参加を

 十一月十八日に五千人規模で、「違法な爆音を止めろ! 厚木基地はいらない!」大行動を予定しています。詳細はこれからです。厚木基地の北と南の公園に十一時ころに集合して、十一時半から三十分くらい集会をやる。北と南の二つのデモ隊が、基地を包囲する形で行進する。デモ行進では、労働組合の旗だけでなく、特別な旗を七百本くらい作って目立つデモ行進にしたい。そして、昨年集会をやった大和市の引地台公園に合流する。メイン会場の引地台公園ではコンサートをやったり、各団体からの出店を出してもらうなどにぎやかにやりたい。主催は、原子力空母の母港化に反対し基地のない神奈川をめざす県央共闘会議(県央共闘会議)、神奈川平和センター、いのちとくらしを守る共同行動委員会、憲法を暮らしに生かす神奈川県民会議の四団体になると思います。
 神奈川県内だけでなく、関東近辺の皆さんにはぜひ積極的に参加していただきたいと思っています。
 沖縄は来年で復帰三十年目を迎えますので、基地包囲をやると聞いています。私の願望ですが、来年は沖縄に合わせて厚木基地包囲行動をやりたいと思っています。(文責編集部)