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自主・平和・民主のための広範な国民連合
月刊『日本の進路』2001年9月号

アジアと敵対する
小泉首相の靖国参拝に抗議する


東京 平和遺族会など五百人が集会とデモ

 八月十五日、「小泉首相の靖国神社参拝を問う! 平和の集い」が都内で開かれ、全国から遺族、市民など約五百人が参加し、会場は熱気に包まれた。主催は、十四都道府県の平和遺族会で構成する、平和遺族会全国連絡会。
 開会あいさつで中山敏雄・群馬平和遺族会事務局長は、「小泉首相は十六年前の中曽根首相参拝の時代に逆行させた。集団的自衛権行使など軍事大国化を進める小泉政権は危険で許せない」と小泉首相を批判した。
 続いて、西川重則・全国連絡会事務局長が、「追悼しつつ、戦争を準備する」と題する基調報告を行った。西川氏は「私たち遺族は、戦後一度も肉親を失った悲しみを消すことはできなかった。だが、一九六九年に靖国神社法案が出され、声をあげる決意をし、加害と被害を忘れないために八六年に平和遺族会を結成した」と述べた。また、「遺族にとって、悲しみの風化はあり得ない。靖国神社、それに昭和館は『英霊』や『自衛戦争』と侵略戦争を美化し、遺族の悲しみを忘れさせようとしている」と批判した。最後に、「憲法の政教分離に違反した小泉は首相失格だ。欺まん的な『追悼』を行いつつ、日米安保共同宣言、新ガイドラインなど戦争準備を進める政府・国会と闘っていこう」と訴えた。
 神奈川遺族会の石崎キク氏は「戦後初めて侵略戦争や加害の事実を知った。私たちの肉親は『英霊』ではなく加害者に追いやられた犠牲者だ」と述べ、アジア太平洋戦争のすべての犠牲者のために一分間の「沈黙の時」を呼びかけた。
 日本人を父にもつ、ノーマ・フィールド氏(米シカゴ大教授)が「死者の追悼と小泉改革」と題して記念講演を行った。ノーマ氏は「国家主義と構造改革は一体のもの。靖国神社参拝や『つくる会』教科書を批判する一方で、構造改革は支持するという政治家がいるが矛盾している」と提起した。また「小泉首相は『英霊』のおかげで日本の平和と繁栄があるというが事実は違う。米国が冷戦のために日本経済の復興を必要としたからだ」と批判した。さらに「『平和のため』といえば何をしてもよいという論調がある。過去を振り返り、アジアとどう付き合っていくか、平和の内容を考える必要がある」と提起した。
 最後に、中国黒竜江省社会科学院副院長の歩平氏と、韓国の太平洋戦争犠牲者遺族会からのアピールが行われた。
 集会後、参加者は靖国神社に向け都内をデモ行進し、小泉首相の靖国神社参拝に抗議した。

神奈川 靖国参拝中止を求め44人が共同声明

 神奈川では八月十日、唐崎旬代(横浜YWCA)、久保孝雄(神奈川県日中友好協会会長)、竹田四郎(自主・平和・民主のための広範な国民連合・神奈川代表)の三氏が発起人となり、各界の四十四人(匿名一人)の参加で「小泉総理の靖国神社公式参拝に反対し、中止を求める共同声明」を県庁記者室で記者会見を行って発表し、同時に総理官邸と各党にファックスで送付しました。
 記者会見には竹田四郎(国民連合・神奈川代表)、飯沼和正(ジャーナリスト)、中井俊美(中小企業経営者)の三氏が参加しそれぞれの思いを発言。九人の記者から熱心な質問が出され神奈川、朝日、毎日の三紙が翌日報道しました。神奈川からも公式参拝中止の声を上げることができました。


靖国参拝中止を求め広範な国民連合が声明

 広範な国民連合は八月八日、小泉首相の靖国参拝の中止を求める声明を発表し、首相官邸に送りました。また、広範な国民連合・愛知も八月六日、小泉首相の靖国参拝の中止を求める声明を発表しました。