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自主・平和・民主のための広範な国民連合
月刊『日本の進路』2001年5月号

平和な梅香里を取り戻すために

名古屋で韓国反基地運動報告会開かれる


 四月三日、名古屋市女性会館で、米軍の射爆場とされた韓国・梅香里(メヒャンリ)の住民被害対策委員長、全晩奎(チョン・マンギュ)さんを招いて韓国反基地運動報告会「平和な梅香里を取り戻すために」が開かれました。この集会は沖縄の米軍基地撤去の運動に取り組んできた愛知県内の団体が韓国内での米軍基地撤去運動を紹介しようと実行委員会を組織して準備してきたもの。当日は平日にも関わらず、会場の椅子が足らなくなるほどの盛況ぶりでした。
 はじめに全さんは韓国の首都ソウルからわずか六十キロしか離れていない梅香里で、沖合いの島が無くなりかかるほど激しく米軍が爆弾投下やロケット弾攻撃などを繰り返していること、民家近くに爆弾が投下され住民にも多くの死傷者が出ていること、家畜や海産物への被害が甚大であることなどを写真を示しながら熱っぽく話されました。そして、正当な抗議行動に対して逮捕や投獄など卑劣な弾圧を繰り返す権力側にも粘り強く抗して運動を続けていること、学生運動や大宇自動車労組など戦闘的な労働運動とも連帯していることも報告され、運動の前進に大きな期待と自信も感じられました。
 また、この梅香里射爆場には在韓米軍だけでなく沖縄の嘉手納基地など日本国内からも米軍機が頻繁に演習にやってきており、日本の反基地運動との連携についても言及され、私たちはその責任を痛感させられました。全さんは普段は漁師として生計をたてておられ、私たちがイメージしていた「闘士」の風格はなく、むしろ穏やかな感じの男性ですが、米軍によって破壊された故郷梅香里の写真を手に語られる時は、怒りで顔が真っ赤になるほど興奮されることがしばしばで、帰国後、全さんが即時逮捕されるという情報もあり、報告を聞く私たちは緊張がちで聞き入っていました。最後に全さんは「私の故郷梅香里は、法的には韓国のものでありながら、実際は米軍ものであり、北朝鮮の土地として想定され破壊されている」といまだに冷戦下の状況におかれた故郷の現状を表現されました。
 歴史的な南北首脳会談が開かれ、朝鮮半島が自主的平和的に統一される条件が整いつつある今日、アジアでの十万人体制を保持して覇権を求め、戦争の緊張を高める米国のアジア戦略を日本と韓国の双方から改めて確認し、今までの私たちの運動に改めて確信を持つとともに、今後の私たちの運動を展望する意味でも意義のある報告会でした。