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自主・平和・民主のための広範な国民連合
月刊『日本の進路』2001年4月号

米原潜によるえひめ丸沈没事件

怒りの抗議集会

東京、神奈川


東 京

 三月六日、米原潜による実習船沈没事件・沖縄米軍トップの侮辱発言糾弾!森連立政権はアメリカ追随外交をやめろ! 緊急集会が豊島区民センターで開かれた。
 この集会は片岡健(東京都日中友好協会副理事長)、谷口滋(東京教組副委員長)、照屋寛徳(参議院議員)、東門美津子(衆議院議員)、中川晶輝(日本友和会前理事長)、槙枝元文(元総評議長)、森井眞(明治学院大学名誉教授)の七氏の呼びかけで行われた。
 集会では司会の斉藤ゆうこ・荒川区議が緊急集会開催に至る経過報告を行い、呼びかけ人を代表して槙枝氏が「米軍は世界中をわがもの顔で横行している。今回の事件は国際的視野から危機感を持つ必要がある。この集会を大衆的に立ち上がり政府を動かす第一歩としよう」と開会の挨拶を行った。
 前田哲男・東京国際大学教授は「事件に潜む日米安保体制の危険性」と題して講演を行い、この事件は日米安保体制下で起こるべくして起きた事件として学ぶべきであると訴えた(講演要旨)
 会場からの意見表明では、森井眞氏が「えひめ丸事件に、言葉に尽くせない怒りを感じている。主人持ちの国は卑しい。憲法より安保条約を大事にしその条約に使われている。政治を変えるためにこの怒りをそれぞれの場でぶっつけていこう」と発言。篠原国雄さん(海上労働ネットワーク事務局長)は「船員にはライセンスが必要で航路が定められているが、米軍艦船にはそのようなことはない。今回の事件は無法な暴走ダンプが正しい走行の車にぶつかったようなもの。米軍がいる限りこうした事故はなくならない」と船員の立場から怒りを表明。川口みどりさん(沖縄から考える全国ネットワーク)は沖縄出身者として「沖縄では今年になっても米軍の犯罪が多発している。その上沖縄米軍トップの県知事らに対する暴言問題など、それに対する日本の政府も本当に主権国家なのかと疑問を感じる。これではダメだ。日本を変える力になりたい」と訴えた。
 会場からの自由発言では「この事件についてやっと集会が開かれたので参加した」(沖縄出身女性)、「近現代史を専攻しているが、『つくる会』の動きを見ていると、日本の流れは戦争前夜のようだ。今回の事件の日本政府の対応はあまりにひどい。講演を聞いて日米安保の問題を考えることが重要だと思った。日本をどうつくりかえていくか声をあげていくことが大事だ」(学生)、「職場はリストラで解雇問題が起きて仲間が参加出来ないが、職場で寄せられたカンパをもって参加した」(印刷労働者)、「私の受け持っている生徒と同じ歳の命が奪われ、胸を痛めている。職場では日の丸・君が代、人事考課問題などがあり疲れているが、この集会に来て署名活動などをもっとやるべきだと思った。明日からでも運動をつくっていきたい」(高教組組合員)、「アメリカは共通の敵だ、国際的な視野に立った新しい日本を見つめる運動を」(アラブ研究家)、など活発な発言が相次いだ。
 最後に、真相究明と責任者への厳しい処罰などを要求する日米両政府への申入書を採択して閉会した。


神 奈 川
 事件発生からちょうど一カ月にあたる三月十日、「米原潜事件に怒る!かながわ集会」が横浜で開催された。集会ではアピールを採択して日本政府とアメリカ大使館、神奈川県知事、横須賀市長に送付した。集会は厚木や横須賀の平和市民団体、婦人団体、弁護士など十五人の呼びかけで開かれた。冒頭、伊藤茂・前衆議院議員が「横須賀にはしばしば原潜が入港している。全国第二位の基地県であり、米海軍第七艦隊司令部がある神奈川で怒りの声をあげ、広げていきたい」と主催者挨拶した。
 軍事リポーターの石川巌氏は講演の中で、今回の事件の背景として、沖縄での米軍関係の事件、沖縄米軍の最高司令官による沖縄県知事を侮辱する発言、普天間基地に配備されるオスプレイに関するテスト飛行隊のデータの改ざん問題など例を挙げ、米軍の腐敗を指摘。「軍隊には過失は罰せず行政処分で済ませる傾向がある。査問会議や軍法会議は、医療過誤を医師会が裁くようなものだ」と批判した。
 調査団として訪米した首藤信彦・民主党衆議院議員は「今回の事件は日米の同盟関係や安保条約をどのように見直していくかという問題に関係する、日本の大転換点となる事件だ」と、事件の重大性を強調した。
会場からは
◎梅津敬吾・三崎無線通信士協会会長「行方不明になった瀬川さんは、当会の副会長をしている。現在奥さんは外に出られないほど、心のケアが必要な状態になっている。普通なら、過失でも死傷事件を起こせば犯罪になる。軍法会議で無罪になるならば、まことに腹立たしい」
◎鈴木保・厚木基地爆音防止期成同盟委員長「軍というのは横暴。まさに怒りを覚える。今後は、地位協定の改定も含めて、みんなで協力して行動しよう」
◎清水昭司・NEPAの会代表「国務長官か副大統領が日本に来て頭を下げるべきだ。世界の平和への流れに水を差しているのはアメリカだ。こういう横暴を許しておくわけにはいかない」
◎その他、「三崎水産高校に入学する息子と一緒に来た。希望していた高校に入学できて喜んでいた最中に今回の事件を聞き驚いた。四月には同じ海域に実習に行く。このような事件が二度と起こらないようにPTAとしても活動していきたい」「日本人は大きな問題が起こっても、どうしておとなしいのか。アメリカは日本や韓国に対して、人間を人間と見ていないのではないのか。アメリカさまさまではいけないのではないか」など、アメリカや日本政府に対する怒りの声が噴き出した。
 最後に竹田四郎・国民連合・神奈川代表世話人が「日米安保条約がこういうことを引き起こしている。事件の実態を明らかにし、事件に遭われたご家族に思いを致しながら、日本の進むべき道をハッキリとさせる必要がある」と閉めくくった。
 集会準備期間中、実行委員会では街頭や駅頭でこの集会のアピールとともに宇和島市の事故家族支援センターが行っている要求署名に協力を呼びかけた。五百八十九人の署名が寄せられ、見舞い金とともに支援センターに送付された。