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自主・平和・民主のための広範な国民連合
月刊『日本の進路』2001年3月号

「えひめ丸」沈没事件に抗議する

米軍の横暴を許す米軍基地も日米安保もいらない


米軍と政府に全国で抗議の声

 米原潜「グリーンビル」が二月十日、ハワイ沖で宇和島水産高校実習船「えひめ丸」を沈没させ、九名の行方不明など多大な犠牲を出した。
 横暴な米軍と米政府、弱腰の日本政府に全国各地で怒りが高まっている。宇和島市は市をあげて行方不明者の捜索と船体引き上げを求める署名活動を展開。東京や神奈川では抗議集会が準備されている(二十四頁参照)。広範な国民連合常任世話人会議は二月十三日、米大統領と森首相に抗議文を送った。広範な国民連合・愛媛も十四日、米大使館と首相官邸に抗議文を送った。広範な国民連合・大阪は二十七日、大阪の米総領事館と外務省分室に抗議文を届けた。
 二十年前の米原潜による「日昇丸」あて逃げの時、政府は日米安保の前に米国に対して徹底した責任追及を行わなかった。日米安保条約とそれを是認する政府が続く限り、こうした悲劇はなくならない。いまこそ、「米軍基地もいらない、日米安保のいらない」の声を全国に広げよう。


NEPAの会 清水昭司 代表に聞く

 二月十、十一日に横須賀で「非核平和条例を考える全国集会」をやっている時に、新聞記者からの情報で原潜事故を知りました。さっそく集会で抗議文を採択しました。また二月十八日、NEPAの会と非核市民宣言運動ヨコスカで、デモと米海軍司令部に抗議行動を行いました。
 事故の状況が明らかになるにつれ怒りが高まります。訓練海域ではなかったこと、十六人も民間人を乗せた原潜ツアーであり、しかも緊急浮上の時に民間人に操縦させた、過去の事故と同様に救助活動をしなかった等々。単なる事故ではなく、人災であり、殺人行為です。
 人を殺し、物を破壊する軍隊の本質をさらけ出しました。軍隊は人を助けない。とくに米軍は、超大国として世界の海も空も陸地も自分のものとして横暴な行動を繰り返しています。私は、横須賀基地をながめながら、米軍の横暴さに心の底から怒りを感じます。横須賀基地内の環境汚染が深刻になっているのにお構いなしです。また原子力空母の母港化をめざした十二号バースの延長工事が計画されており反対運動を展開しています。
 米軍の横暴さに対して、日本政府は毅然と対応しない。日米関係の悪化ばかり気にしています。何の責任もない「えひめ丸」が沈没させられ、いまだに九名が行方不明。命の重さを何と考えているのか。戦後半世紀以上も米軍が居座り続け、不平等な地位協定が押しつけられているのに弱腰の日本政府。多くの人たちが日本はアメリカの軍事的植民地と感じているのではないか。
 アメリカの言いなりになり、何もしない政府に地方自治体が怒りの声をあげている。わいせつ事件や連続放火事件などが続く沖縄では、保守県政の下でも県議会で「海兵隊の削減」が全会一致で決議された。沖縄県内の各自治体で海兵隊の削減や地位協定の見直しが決議されています。米空母艦載機による夜間離着陸訓練(NLP)問題で、三沢・大和・綾瀬・福生・岩国の五市長が集まって国と米軍に対して共同声明を発表した。自治体の行動の背景には市民の怒りの声と行動があります。
 アメリカはブッシュ政権になって、湾岸戦争の時の顔ぶれがズラリとそろった。国務副長官になったアーミテージらが中心になった対日政策の提言を見ると、憲法で禁じられている集団的自衛権の行使を日本に要求しており、対日要求は一段と強まると思います。集団的自衛権行使を主張する政党があるようですが、とんでもないことです。
 やりたい放題の米軍に黙っていてはだめです。それぞれの地域で声をあげ、自治体も巻き込んだ運動が重要だと思います。 (二月十八日談・文責編集部)