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自主・平和・民主のための広範な国民連合
月刊『日本の進路』2001年1月号

代表世話人からの新年メッセージ

20世紀を顧みて、21世紀を望む

槇枝 元文


 二十一世紀の新春、明けましておめでとうございます。
 二十世紀は戦争の世紀とも言われたように、前半は列強による植民地の争奪と支配、そして欧州大戦、太平洋戦争と、世界各地でさまざまな対立・紛争が繰り返されました。後半は米・ソが冷戦のなかで軍拡競争を繰りひろげ、冷戦崩壊後はアメリカの覇権主義による一国支配で幕を閉じました。
 ただし、冷戦構造の名残的存在であり、半世紀にわたって敵対関係におかれてきた朝鮮半島が、南北首脳会談によって民族の和解・協力が約束され、自主的、平和統一にむけて大きく第一歩を踏みだしたことは、せめてもの明るいニュースとなりました。
 科学技術の面では、前半は核兵器の開発・製造をはじめ軍需産業に力点が注がれました。後半は農工業、宇宙産業、情報産業、そしてIT革命というように、科学技術はあらゆる分野で目覚ましい発展を遂げ、人びとの生活を豊かにしてきました。反面、環境汚染や自然破壊が進行し、人類の生存を脅やかす事態が顕著になりつつあることも否めません。
 このような世界で、日本は終始アメリカに追随し、アメリカの世界覇権戦略に軍事、政治、経済のすべての面で手を貸しつづけてきました。そして今、政治、経済、社会の全般で暗闇のなかから抜け出せず、展望のないまま二十一世紀へ足を踏み入れたといえるのではないでしょうか。
 日本の財政は国と地方を合わせて六四五兆円の借金のうえに、来年度予算で更に約三〇兆円の国債の発行が予定されています。政府はことあるごとに景気の回復基調を宣伝していますが、中小企業の倒産は増加しつづけています。大企業は生き残りをかけてリストラ、合併に狂奔し、その裏で失業者は巷に放逐され、労働者は賃金切り下げや先行きのない年金・医療で不安に暮れています。
 一方、政治の世界では、政党は利権を求めて政権の座の維持や獲得にきゅうきゅうとし、政治理念なき数合せの党と化しています。このため国民の政党不信は増大し、今や無党派が有権者の過半数となり、政党政治としては異常な事態に直面しています。
 従って私は、今世紀初の新春に当たって、政治理念に基づく政党の再編成、国民の意思を最大限尊重する民主的な政権の樹立をめざし、軍事基地や外国軍隊の駐留を排除して自主・平和・民主の完全独立国家を取り戻し、外交では日朝国交正常化を実現して近隣諸国との友好協力を最優先し、アジア太平洋地域の平和と安定に貢献する国づくりに微力ながら力を尽くしたいと決意しています。
 二十一世紀は、地球環境を浄化し、人間が殺し合う戦争を地球上から追放し、特定国の覇権を退け、大小・強弱を問わずすべての国の平等な参加で民主的な運営が保障される国連を形成する、そんな世紀にしたいものです。