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自主・平和・民主のための広範な国民連合
月刊『日本の進路』2000年8月号
 

 槙枝元文・元総評議長、武者小路公秀・フェリス女学院大学教授らは、7月19日那覇市の県政記者クラブで会見し、「在日米軍に関する要請」を森首相とクリントン大統領、サミット参加国の大使館に行ったことを発表した。同時に「沖縄に連帯する行動を訴える」国民へのアピールも発表した。槙枝氏は「南北首脳会談で東アジア情勢は一変した。沖縄の基地問題は全国民の課題である。米軍基地の撤去をめざす嘉手納包囲行動に連帯し厚木基地などでも集会が予定されている」と述べた。「在日米軍に関する要請」とアピールは、槙枝氏、武者小路氏、隅谷三喜男・東大名誉教授、伏見康治・元日本学術会議会長の4名による呼びかけで、全国の学者・文化人ら約240名が共同署名している。


アピール「沖縄に連帯する行動を訴えます」

 私たちは、太平洋戦争で沖縄の人々を苛酷な地上戦の犠牲にし、対日講和条約では沖縄を本土から切り離し、27年間も米軍政下にゆだねました。そして復帰後も全国土のわずか0.6%の沖縄に、在日米軍基地の75%を押しつけてきました。その結果、沖縄の人々は沖縄本島のいずれかと言えば中心部20%を米軍基地として占拠され、米軍による事故や犯罪、環境破壊に苦しめられてきました。経済の発展は立ち遅れ、失業率は本土の二倍近くになっています。
 アメリカはアジアから中東にまでにらみをきかす前方基地として、沖縄の米軍基地をますます重視しています。それは日本の安全ではなく、政治・経済の国際的な展開・進出におけるアメリカの権益を守るためです。日本政府はアメリカの要求にしたがい、その東アジア戦略にそって日米安保を再定義し、周辺事態法を制定しました。老朽化した普天間基地にかわり、名護市に新たな米軍基地を建設する政策は、アメリカの世界政策への追随です。このまま進めば、沖縄は米軍の永久基地となりかねません。
 沖縄の人々は戦後一貫してこの苦難に立ち向かってきましたし、今も果敢に闘っています。沖縄の米軍基地撤去は、21世紀の日本が自立してアジアの国々と平和で友好的な関係を築くためにも不可欠で、日本全体の問題です。しかし、本土の市民社会は戦後55年、沖縄の日本復帰後30年近い年月を経て、沖縄の状況について必ずしも十分な認識を持たず、全体的には傍観してきたと言えるのではないでしょうか。本土の運動が立ち遅れているなかで、沖縄はその小さな体で日本の平和を守る運動の最先端に立っているのです。
 私たちは本土における運動の立ち遅れを反省し、行動を起こすべきではないでしょうか。特に、南北朝鮮の首脳会談が成功し、朝鮮半島が自主的な平和統一へ大きく動き出した今日、沖縄などアジア太平洋地域に10万の米軍を展開することはますます説得力を欠くものとなっています。今こそ、本土でも沖縄の人々と連帯して、米軍基地の縮小・撤去、名護市の新米軍基地建設中止を求める声をあげるべきではないでしょうか。
 沖縄サミット前日の7月20日、沖縄の人々はサミット参加国をはじめ世界の世論に沖縄が米軍基地に占有されている異常さを訴え、基地のない平和な島を求める沖縄の心を発信するために、米軍嘉手納基地を「人間の鎖」で包囲することにしています。さらにこれに前後して、さまざまな行動を準備しています。
 沖縄につぐ第二の米軍基地県である神奈川では、嘉手納基地包囲に呼応して同じ7月20日、米軍厚木基地に隣接する引地台公園で、米軍基地撤去を求める大集会・デモを行います。私たちは東日本、すくなくとも関東の人々が厚木集会に参加し、米軍基地はいらないと本土からも声をあげるよう訴えます。
 これに先立ち、東京では7月18日に日比谷野外音楽堂で、平和フォーラムが沖縄に連帯する集会を開きます。全国各地でもさまざまな集会が開かれます。私たちは一人でも多くの方々が、これらの行動に参加するよう訴えます。
 また、日本政府、サミット参加国、さらには内外のマスコミにも、米軍基地縮小・撤去、名護市の新米軍基地建設中止の声を手紙、FAX、Eメールで送るよう訴えます。
 あわせて、このアピールを受け取ったみなさんが、手紙、FAX、Eメールで他の人々に送ったり、ホームページに掲載したりして、このアピールを全国に広げてくださるようお願いします。
 沖縄にも本土にも米軍基地はいりません。その思いを行動で示し、世界に発信しようではありませんか。
  2000年7月
 呼びかけ人
隅谷三喜男(東京大学名誉教授)、伏見康治(元日本学術会議会長)、槙枝元文(元総評議長)、
武者小路公秀(フェリス女学院大学教授)
 共同署名人 約240名(誌面の都合で省略します)
             連絡先  〒113-0033 東京都文京区本郷1-19-6 太平ビル本館
                        日中技能者交流センター内 槙枝元文
                        Tel:03-5689-2341 Fax:03-5689-2344



在日米軍に関する要請
アメリカ合衆国大統領
ウイリアム・J・クリントン 殿

 私たちは、日米両国の関係が対等・平等で平和友好の健全な関係となることを願い、アジアの平和と安定のため、日本全土とりわけ沖縄の米軍基地の速やかな縮小、建設中止、更には全面撤去を要請します。

 1.貴国軍隊は1945年以後、最初は戦勝国の占領軍として、1952年以降は日米安保条約を根拠に、半世紀以上にわたってわが国の土地、空、海の一部を占拠し、駐留し続けてきました。

 2.特に沖縄では、貴国軍隊は武力で住民の土地を収奪して基地を建設し、講和条約締結後も軍政を継続しました。1972年の沖縄返還以後も基地体勢は基本的に従前のままで貴国軍隊は撤退せず、今日も米軍基地は沖縄県土の10.8%、沖縄本島について見れば18.2%を占拠しています。

 3.貴国政府は、朝鮮戦争以降、ベトナム戦争、更には湾岸戦争など、直接日本と紛争関係のない地域の戦争や紛争を遂行するため、日米安保条約の規定を逸脱して、在日米軍基地を出撃基地、後方支援基地、中継基地として利用してきました。貴国政府によるこのような在日米軍基地の利用は、先の侵略戦争についてのわが国の反省不足とあいまって、日本とアジア諸国との平和友好関係を阻害してきました。

 4.南北朝鮮の首脳会談が成功し、朝鮮半島が自主的な平和統一へ大きく動き出した今日、貴国軍隊を日本に駐留させる根拠はますます薄弱となっています。朝鮮半島で始まった緊張緩和と和解の流れをいっそう確かなものとし、アジアの平和と安定を実現するためにも、貴国軍隊の撤退が求められています。

 5.在日米軍基地の75%が集中している沖縄では、貴国軍隊が引き起こす犯罪、事件、事故、環境破壊の被害は深刻です。去る7月3日にも、米海兵隊員が沖縄市内のアパートに侵入し、女子中学生にわいせつ行為を行う事件が発生し、沖縄県民は激怒しています。さらに、在沖米軍基地は人口、産業にとって最良の土地を大規模に占有しているため、沖縄の経済開発を阻害しています。県民が求めるのは、もろもろの害悪と犠牲を集中的にもたらしている安保体制からの解放です。

 6.わが国政府は貴国軍隊に基地を無償提供しているだけでなく、日米地位協定では貴国負担となっている在日米軍の兵舎・家族住宅・娯楽施設の建設費、光熱費、基地従業員の労務費などの経費を、日本では「思いやり予算」と言って負担しています。この予算は1999年度で約2700億円(25億ドル)に達し、それを含む総額約6600億円(60億ドル)の駐留経費はわが国の財政を著しく圧迫しています。明年3月で、在日米軍駐留経費の日本側負担を定めた特別協定の期限が到来する機会に、この協定は打ち切ることとしていただきたい。

 7.以上のように、貴国軍隊の駐留はわが国の自立性を傷つけるだけでなく、わが国と貴国との国家関係を不健全にしており、将来の日米両国民の友好関係をも危うくするものとなりかねません。私たちは、日米両国の関係が対等・平等で平和友好の健全な関係となることを願い、アジアの平和と安定のため、冒頭のように要請するしだいです。

 なお、私たちは本要請のコピーを日本政府にも送付し、日本国民とくに沖縄県の住民の利益を守るために、上記の事項について貴国政府と交渉に入ることを要請いたします。また、他の沖縄サミット参加国首脳にも送付し、サミットの討議事項とすることを要請いたします。
  2000年7月11日

呼びかけ人
隅谷三喜男(東京大学名誉教授)、伏見康治(元日本学術会議会長)、槙枝元文(元総評議長)、
武者小路公秀(フェリス女学院大学教授)

 共同署名人 約240名(誌面の都合で省略します)
             連絡先  〒113-0033 東京都文京区本郷1-19-6 太平ビル本館
                        日中技能者交流センター内 槙枝元文
                        Tel:03-5689-2341 Fax:03-5689-2344