国民連合とは月刊「日本の進路」地方議員版討論の広場集会案内出版物案内トップ  

自主・平和・民主のための広範な国民連合
月刊『日本の進路』2000年8月号
 

嘉手納包囲行動に連帯し、

米軍基地の撤去をめざし各地で行動


神奈川
厚木基地撤去をめざし三七〇〇人


 嘉手納基地包囲の「人間の鎖」行動が行われた七月二十日同時刻に、厚木基地に隣接する大和市引地台公園で、「沖縄・嘉手納基地包囲に連帯し、厚木基地撤去をめざす神奈川集会」が開かれた。神奈川平和運動センター、いのちとくらしを守る共同行動委員会、基地撤去をめざす県央共闘の主催。炎天下の会場には、ゼッケンやプラカードを手に三十七団体から労働者や市民など三千七百人が参加した。主催団体や沖縄県人会、国民連合・神奈川が出店を出すなか、家族連れの参加が目立った。
 第一部の「平和フェスティバル、アジアの平和と共生・自立をめざして」では、横須賀、韓国、朝鮮、フィリピンの踊りと音楽が行われた。琉球音楽の第一人者である大工哲弘氏は、上空を飛び交う米軍機のごう音に「まるで沖縄にいるようだ。怒りがこみ上げてくる」と語り、「島唄」「沖縄を返せ」など熱唱した。
 午後二時から第二部の「沖縄・嘉手納基地包囲に連帯し、厚木基地撤去をめざす神奈川集会」が始まった。宇野峰雪・神奈川平和運動センター代表は「私たちも厚木包囲をやりたかったが本日の集会になった。なぜ沖縄サミットなのか。沖縄の基地を長期に使うというのがねらい。十五年期限に米国は応じない。沖縄戦、講和条約、復帰以降も日本は沖縄を裏切ってきた。基地返還を願う沖縄県民の心をわれわれのものとして闘おう」と主催者あいさつ。
 県央共闘会議の鈴木保議長は「一九六九年の実力行使で米軍キャンプ返還を実現し、跡地にこの公園と中学校ができた。来年は、この種の集会が神奈川、東京の横田基地をはじめ全国各地で同時に開催できる力をつくろう。本日の集会を厚木基地撤去運動の新たな出発点に」と訴えた。
 連帯のあいさつで吉元政矩・元沖縄県副知事は「復帰以降も続く事件や事故、安保を認める保守県政への怒りとして八七年六月に一回目の嘉手納包囲が行われた。冷戦崩壊直後の九〇年六月の二回目の包囲成功がはずみになり大田県政が誕生した。そして今日が三回目。米国は『沖縄サミットは日米軍事同盟を示すよい機会』と位置づけている。米国は、朝鮮半島危機がなくなれば台湾問題という新たな危機をつくりだし、米軍基地の存在意義をつくる。県民は基地撤去めざし、したたかに、しなやかに闘う。共に闘おう」と訴えた。
 神奈川と沖縄を結ぶ反基地連帯行動の伊藤成彦・中央大学教授、厚木基地第三次爆音訴訟団、沖縄一坪反戦地主会関東ブロックなど様々な団体から連帯あいさつがあった。
 嘉手納包囲行動の現地から「ただいま、米軍嘉手納基地を完全に包囲しました」と電話がはいり、スピーカーから流れると会場から拍手と歓声が起こった。参加者全員が手をつなぎ、沖縄への連帯を誓った。
 最後に沖縄に連帯し厚木基地撤去を求める集会宣言を採択した。
 集会終了後、参加者は二コースに分かれて厚木基地周辺をデモ行進した。厚木基地の爆音を初めて体験した人も多く、米軍基地への怒りを新たにした。米軍機が飛び交うなか参加者の「米軍は厚木基地から撤去せよ」「爆音をやめろ」「米軍は日本から出ていけ」のシュプレヒコールが響いた。参加者はそれぞれ基地のフェンスに赤いリボンを結びつけ、厚木基地撤去の意思を示した。


東京
「沖縄からのメッセージ集会」


 七月十八日、東京日比谷野外音楽堂で、「基地はいらない沖縄大行動と連帯する七・一八中央集会」が開催され、約千五百人が参加。
 主催者あいさつで、江橋崇・平和フォーラム代表は「二十日には沖縄で嘉手納基地包囲、人間の鎖行動が計画されている。すでに九州、神奈川をはじめ全国で連帯の行動が始まっている。沖縄米兵による少女わいせつ事件が起き、七千人規模の抗議行動が行われた。米軍基地撤去なしには問題解決はない」と訴えた。
 吉元政矩・元沖縄県副知事が沖縄からの訴えを行った。「九五年少女暴行事件から五年たったが同様の事件がまた起きた。膨大な米軍基地を沖縄に押し付ける日本政府の差別的態度は何一つ変わっていない。日本政府の沖縄サミットのねらいは普天間の名護移設を認めさせること。米国のねらいは沖縄の基地がアジア太平洋戦略の中で重要だということを示すこと。サミットの後に、政府、県、名護市で移設場所、規模、工法など検討される。名護の市民運動、県民運動が問われてくる。北東アジアの情勢が激変しつつある。朝鮮半島では南北首脳会談が開かれ、和解と統一の方向に進みはじめた。在沖米軍の面積で七五%、兵力で六〇%は海兵隊。海兵隊駐留の根拠であった朝鮮半島危機がなくなりつつある。今後、教育基本法の改正、有事立法、さらに憲法改正が準備されている。沖縄の基地問題を全国の問題として受け止めて、日本全土から米軍基地を撤退させよう」と訴えた。
 沖縄一坪反戦地主会関東ブロックの木村辰彦事務局長、被曝五十五周年原水禁世界大会の岩松繁俊実行委員長が団体からの訴えを行った。
 集会アピールを採択し、参加者はデモ行進を行った。


大阪
基地押し付けは許さない関西集会

 七月十七日、「サミットを通じた基地押し付けは許さない!沖縄・嘉手納基地包囲行動に連帯しよう関西集会」が大阪市内で開かれ、全港湾・関西生コンなど労働者・市民約千二百人の参加。「しないさせない戦争協力・関西ネットワーク」の主催。
 沖縄平和市民連絡会議の宇根悦子氏が沖縄からの訴えを行った。宇根氏は米兵事件を糾弾したあと「米軍基地は安保条約があるので沖縄県民だけではなくせない。本土の人も安保破棄、基地撤去の声を高めてほしい」と連帯を呼びかけた。


山口県岩国
沖縄に連帯し岩国基地の撤去を


 七月十六日、「沖縄県の嘉手納包囲行動に連帯する中国ブロック岩国集会」が開かれた。中国ブロック平和フォーラムの主催で、中国五県から労働者市民約五百人が参加した。
 大城治樹・自治労沖縄県本部委員長は、相次ぐ米兵による事件・事故を報告し、「嘉手納包囲行動を成功させ、米軍基地縮小・撤去の闘いを強化する」と述べた。
 田村順玄・岩国市職平和研究所長は、岩国基地滑走路の沖合移設問題、中国山地での米軍機低空飛行訓練の実態を報告し、決意を表明した。
 集会後、参加者は米軍岩国基地までデモ行進し基地撤去を訴えた。