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自主・平和・民主のための広範な国民連合
月刊『日本の進路』2000年6月号
 

各地の取り組み


第一回長崎・沖縄連帯集会
基地を抱える
長崎で開催

 四月二十九日、長崎県自治会館において、百三十人の参加者を集め「第一回長崎・沖縄連帯集会」が開催されました。
 集会は、長崎総合科学大学・沖縄県人会の皆さんによる沖縄芸能「エイサー」の披露から始まりました。美しい衣装で元気いっぱいに演じていただき、満場の拍手を浴びました。
 つづいて「沖縄サミットと基地問題を考える―憲法の視点から」と題して、琉球大学の高良鉄美教授に講演をいただきました。高良氏は沖縄の現状について、「平和的生存権の侵害が戦後もずっと続いている。大型爆撃機B29が墜落したことがあったが、後でB29には通常は核弾頭を搭載していることが分かった。基地内に何があるのかまったく分からないというのが一番怖い」と話されました。またサミット問題について「サミットはアメで、ムチが待っている。これを許すと、このやり方が日本全土に広められる。さらにサミットを機に自治体、自衛隊、米軍の協力体制が作られている」と指摘されました。
 特別報告では、リムピース編集委員の篠崎正人氏が佐世保港や長崎港の果たしてきた役割、沖縄とどのようにリンクしているのかについて、また今後の問題点についても報告されました。西海町LCAC基地建設に反対する会の津田貢事務局長は、議会の特別委員会で勝った反対派が本会議で負けてしまった経過について、興味深い報告をされました。
 最後に集会アピールを採択し、閉会しました。米軍基地を抱える長崎ですが、長崎の運動は被曝を原点にした反核平和運動に傾きがちでした。その意味でこの集会は意義深く、二回、三回と続けていければ、と思っています。


安保を考える公開学習会
国民連合・
大阪北摂懇談会

 四月二十七日、国民連合・大阪北摂懇談会は公開学習会「佐世保・沖縄から安保を考える」を開催した。
 最初に一九六八年の佐世保エンタープライズ寄港前後の佐世保の映像「佐世保、激動」の記録が上映されました。学生の実力行動、総評五万人集会、佐世保市民の大衆行動の力強さを実感しました。
 佐世保から「沖縄と同じように新たな基地建設計画に対し、西海町の住民が反対して闘っている」との連帯のアピールがありました。
 次に、元沖縄駐留軍米兵のスティーブ・ラブソン氏は「『少女暴行事件』のようなことは毎年起こっている」「オスプレイ(垂直輸送機)は三度も墜落しているのに中止しないのは、海兵隊出身議員のロビー活動と、軍関係の大企業が選挙カンパをしているから」「欧州では紛争が起こっているのにドイツの米軍基地は次々と閉鎖。アジアは平和なのにに日本の基地を強化しているのはおかしい」と述べた。
 京都の大学生で宜野湾出身の川口みどりさんの話は、基地や基地被害が日常的に当たり前にある中で、一人の女性が疑問に思うことから、そして県民大会に参加し、その熱気の中で変わっていく様がありありと伝わり、とても感動的な話でした。


「神の国」発言に抗議
  広範な国民連合・
福岡

 五月十六日、広範な国民連合・福岡は、前日の森首相の「日本は天皇を中心とした神の国」発言に対して、首相官邸に抗議文を送った。「天皇の名のもとにアジアを侵略したことの反省が全くなく、憲法にも反する」などの内容で、国民への謝罪を求めている。


幅広い各層の来賓
 国民連合・東京第七回総会


 五月二十七日、広範な国民連合・東京第七回総会が開かれた。記念講演に加えて、七名の多彩な来賓の連帯あいさつがあり、揺れる今日の情勢にふさわしい中身になった。
 中川晶輝代表世話人が、「広範な人々が連携して六〇年安保では岸内閣を倒すことができたし、美濃部都政も実現した。頑張ろう」と開会のあいさつ。続いて隅谷三喜男氏の記念講演「沖縄の心と日本の未来」が行われた(次号掲載予定)。
 来賓あいさつで広田貞治・社会民主党都連合幹事長は、情勢に触れながら、「暮らしや権利・福祉を守りながら、沖縄と連帯して東京では横田基地をなくすこと、都として非核都市宣言をすることが大事。石原都政と闘おう。社民党も一緒に頑張りたい」と述べられた。
 谷口滋・東京教組副委員長は、国旗・国歌法の制定後の教育現場の実態を暴露。石原発言や森発言を許さず闘おうとあいさつ。
 丸岡義博・日本書店商業組合連合会常任委員は、毎月約百軒が閉店している書店の状況と、再販制度廃止がもたらす弊害と反対運動を紹介された。
 解雇撤回・JR職場復帰の闘いを十三年以上闘っている田島省三・国労闘争団事務局次長は、「昨年十一月に出た日本政府に対するILO勧告を受けたILO勧告アピール運動が三千九百人以上の個人、四千百以上の団体の賛同を得ている」と報告。また司法の反動化を阻止するために六月二十八日にシンポジウムの計画など、闘う決意が述べられた。
 福本道夫・横田基地飛行差止訴訟団事務局長は「横田基地の軍民共用化について石原都知事は地元を無視し経済効果のみ強調している。横田基地の実態を見てほしい。石原都政と闘っていこう」と呼びかけられた。
 金栄煕・在日韓国民主統一連合国際局次長は、「石原都知事は『三国人』発言に批判が上がると、不法滞在の外国人にすり替えようとしたが許し難い。都や教育委員会には歴史認識が欠如している人間が蔓延している」「南北首脳会談が成功裏に進むためには駐韓米軍や国家保安法の存在も問われていることを日本人にも知ってほしい」と訴えられた。
 来賓の最後に槇枝元文氏は、石原発言にふれた後、先ごろ訪れた韓国で金大中拉致・光州事件二十周年の記念行事の感想を報告。「十万人の集会とデモが行われた。デモのスローガンに『日本政府よ、米軍を沖縄から退去させよ』とあり、非常に励まされた。もう一つは『日本政府よ、発展途上国に対する債権を帳消しにせよ』というスローガン。国際的な問題になっており、日本が問われている」と報告された。
 今年の総会は討議の時間がほとんどとれなかったのは残念でしたが、各界各層の来賓あいさつは今後の運動に示唆を与えるものであった。最後に「石原都知事による『三国人』発言などの撤回と謝罪を求める特別決議」を採択して閉会した。

石原都知事による「三国人」発言などの撤回と謝罪を求める特別決議(抜粋)
 (前略)
 石原発言は、在日外国人、とりわけ中国人や韓国・朝鮮人に対する民族差別に貫かれている。彼らを不法入国者=潜在的犯罪者とみなして、民族排外主義をあおるものである。私たちはこの発言から、関東大震災直後に朝鮮人が来襲するという流言蜚語により多数の在日朝鮮人・中国人およびわが国の社会主義者、無政府主義者が虐殺された歴史を想起せざるをえない。
 石原発言は、多くのアジア諸国とりわけ中華人民共和国や朝鮮民主主義人民共和国、大韓民国の強い反発を招いた。知事がこのように中華人民共和国や朝鮮民主主義人民共和国を敵視する見方をあおることは、アジアの平和と共生を願う多くの都民ひいては国民の不利益につながり、アジア諸国民の友好と平和を脅かすものである。
 石原都知事はこの間の一連の発言で、わが国がアジアの大国として振る舞えるようになることを希求し、自衛隊を「国家の軍隊」として認めさせるために九条を中心とする憲法改悪の世論を盛り上げようとしている。この軍事力信仰は危険であり、かつ時代の進歩に逆行する考えである。
 私たちは、わが国の「満蒙は日本の生命線」などという誤ったアジア侵略と植民地支配の歴史を率直に謝罪し、二度と繰り返さないと決意するがゆえに、歴史的事実に目をふさいだ石原都知事のきわめてゆがんだ歴史観を認めるわけにはいかないし、事実に基づく正しい歴史認識を確立することなしに、わが国がアジアに信頼されることも、自主的で平和と民主主義に立つ国の進路を求めることも不可能であると考える。
 私たちは石原都知事の一連の発言に強く抗議するとともに、知事がこれらの発言を撤回して謝罪することを要求する。
 右、決議する。
二〇〇〇年五月二十七日
自主・平和・民主のための広範な国民連合・東京
            第七回総会参加者一同



広範な国民連合・愛知第六回総会
吉元政矩・元沖縄県副知事の記念講演


 五月二十日、愛知県産業貿易館にて、広範な国民連合愛知第六回総会が開かれた。この総会は、深刻な不況と自自公の連立政権によるガイドライン関連法、盗聴法、国歌・国旗法など国家主義的悪法の法制化、石原東京都知事の「三国人」発言のような排外的な風潮などに国民各層の不満と怒りが高まり、新たな運動軸の構築が強く求められる情勢の中で開かれたもので、また広範な国民連合愛知にとっても、五年間の活動の成果を問われ、以降の具体的な運動方針を求められる重要な総会であった。
 総会の第一部は、世話人の小林収氏の司会で進められ、寺尾代表世話人のあいさつのあと、服部事務局長より結成以来五年間の活動の経過とこの一年の活動報告、総括、当面の方針についての提案がなされた。議案の討論では広範な国民連合の運動の意義、活動スタイル、労働者の課題での取り組みなどについて熱心な意見が交わされた。当面の方針では、@広範な国民連合の存在と考え方を広め、県民各層の要求・闘いを支持、激励し各層を結びつけるA自主、平和、民主、アジアの共生をめざす世論作り、県民の生活と権利を守るB組織運営の改善が提案され満場一致で採択された。
 第二部では来賓として前半田市長の竹内弘氏、社会民主党愛知県連合副代表の大島令子氏、朝鮮総聯愛知県本部副委員長の李正富氏からの力強い連帯あいさつのあと、元沖縄県知事で現在沖縄県地方自治研究センター理事長の吉元政矩氏の記念講演があった。「基地のない沖縄をめざして」のテーマで話された氏の講演は、副知事として行政の立場で沖縄の米軍基地撤去に取り組んだ経過とその考え方を示したもので、参加者の共感を得た。特に沖縄を平和、自立、共生のもとに新しい沖縄をめざしていくこと、そのために日本本土だけでなく、マニラ、ソウル、ペキンなどアジア各地に県事務所を持ち、最近ではピョンヤンにも連絡所を置くなど積極的にアジアの共生をめざす姿勢には感服した。しかし、同時に氏は普天間基地の名護市への移転問題に触れ、米軍基地の固定化が沖縄サミットを契機に進められること、沖縄や本土の運動の弱さを指摘し、自自保の政治に対抗するために、広範な勢力が結集してこれに対抗することの必要さを訴えた。



5・15沖縄平和行進
県民総決起大会に六〇〇〇人


 今年で二十三回目となる5・15平和行進(沖縄平和運動センター主催)が、那覇市役所(南コース)、名護市役所(西コース)、辺野古命を守る会事務所(東コース)から五月十二日に出発し、十四日まで行進を行った。県内外から約四千人が参加。米軍基地や沖縄戦を肌で感じ、平和を訴えた。
 十四日、宜野湾市海浜公園で「5・15平和とくらしを守る県民総決起大会」(主催・沖縄平和運動センター)が開かれた。平和行進も合流し、約六千人が参加した。米軍基地の県内移設反対、平和憲法順守遵守などを訴える大会決議を採択。また、サミットに向け、基地のない平和な沖縄を訴える嘉手納基地包囲行動(七月二十日)の成功を誓い合った。


神奈川と沖縄を結ぶ反基地
平和行動・横須賀の集い


 四月三十日、横須賀市産業交流プラザにて、神奈川と沖縄を結ぶ反基地平和行動・横須賀の集いが開催され、市民や学生など約百人が参加。
 集いでは、伊藤成彦・中央大学教授が主催者あいさつ。県内で基地反対運動に取り組んでいる四つの市民団体が、米軍基地がもたらす住民被害の状況や闘い方について怒りを込めて報告。平和市民連絡会の崎原盛秀さんが沖縄からのアピールを行いました。
 NEPAの会の清水昭司代表は、「横須賀基地十二号バースの延長は横須賀港の原子力空母母港化のため」と指摘。「十二号バースは水銀、砒素、鉛、PCBなどで汚染されている。今年に入って延長工事が着工されたが、港湾管理者である横須賀市との交渉で着工日を延長させた。これからも市との交渉で工事の中止を求め、署名活動も展開する」と報告。原子力空母の横須賀母港問題を考える市民の会の呉東正彦代表は、軍港による汚染のために、湾内の魚に奇形が出ていると指摘。原子力空母や原子力潜水艦の放射能漏れの危険を訴え、署名の協力を呼びかけました。
 米軍厚木基地の爆音で苦しむ第三次訴訟団団長の真屋求さんは、爆音被害の状況や厚木基地に隣接する産業廃棄物処理場から出るダイオキシン問題に対する政府の対応について「怒りがこみ上げてくる。政府は、我々の爆音被害については三十年間一度も視察に来ないのに、アメリカから言われると即座に対応する。いったい、どこを向いているのか。間接民主主義は死にかけている。もう、主権者が自らを護る直接民主主義しかない」と怒りを込めて訴えました。


神奈川と沖縄を結ぶ
反基地反核平和行動・神奈川の集い


 五月十二日、横浜で神奈川と沖縄を結ぶ反基地反核平和行動・神奈川の集い(伊藤成彦中央大学教授など四人が呼びかけ)が開催され、神奈川で基地縮小撤去の運動を進めている市民などが参加。
 開会挨拶の中で伊藤氏は、「沖縄では嘉手納基地包囲を七月二十日に行うことを決めた。神奈川でもこれに呼応して大きな行動を起こしたい」と呼びかけ。「憲法と米軍基地―神奈川反基地運動の経験から」を講演した宇野峰雪弁護士は、「基地があることで沖縄の発展が妨げられている。サミットに向けて、平和運動が極めて大切」と訴えた。
 沖縄から「サミットを前にして、いま沖縄は…」と題して連帯の報告を行った池宮城紀夫弁護士は、基地の縮小撤去を求める県民の要求に対する政府の切り崩し策動とサミットに向けた県民の様々な行動を紹介。「大田県政では安定的に沖縄の米軍基地を維持できない」として、すべての零細企業も含めて稲嶺後援会に入れさせたり、公明党を革新共闘から外すなどして、大田県政から保守県政に変えるために政府が全力を挙げたことを暴露。「稲嶺県政になっても反基地闘争は下火になっていない」と報告。政府がサミットの沖縄開催地を決めたのは「沖縄の基地が世界平和に貢献していることを世界にアピールする。サミット景気で基地に反対している県民を黙らせる」という意図があると指摘。「日本の軍事化はアメリカの戦略に沿って行われている。その口実として北朝鮮が使われている。沖縄から基地をなくさない限り、本当の平和は作れない。全国的な連携ができれば、政府を追いつめ、憲法改悪を阻止し、基地をなくすことができる」と訴えた。
 神奈川から連帯の挨拶を行った鈴木保・厚木基地爆音防止期成同盟代表は、「昨年秋から米軍厚木基地のNLP(夜間発着陸飛行訓練)が小中学校の運動会や高校の入試日に行われて、市民感情を逆なでしている。NLPのときには離陸地点の近くで焚き火など、三十年ぶりにの実力行動を行った。基地縮小撤去を求める組織を再建して強力な運動を進める」と決意を表明した。
 集いは、日本政府及び沖縄サミット会議参加者の各国政府首脳へのアピールを真屋求・第三次厚木基地爆音被害訴訟団団長が朗読をして採択。中野新・かながわ平和憲法を守る会代表の閉会の挨拶で終わった。


米軍基地建設反対五・一五集会
一坪反戦地主会関東ブロック


 沖縄「復帰」二十八年目の五月十五日、東京で「沖縄県議会での一坪反戦地主排除の陳情採択糾弾!沖縄・名護への米軍基地建設反対!五・一五集会」が開かれた。沖縄・一坪反戦地主会関東ブロックの主催で、雨にもかかわらず約百人の労働者市民が参加した。
 主催者挨拶で上原成信・関東ブロック代表は「サミットに向けて嘉手納基地包囲が計画されている。サミットが終われば否が応でも普天間移転問題が浮上する。十五年問題もある。基地建設反対の運動を強めよう」と呼びかけた。
 一坪反戦地主会の城間勝事務局長が沖縄からの報告を行った。城間氏は「日米政府は基地の再編強化を進めるために、振興策やサミット開催で県民の運動をつぶそうとしている。また平和祈念資料館の展示内容の改ざん問題、森首相による沖縄の平和運動への反共発言、県議会での一坪反戦地主排除の陳情採択など絶対に許せない。これに対して私たちは、嘉手納基地包囲行動の成功させ、誰のため何のための振興策なのか検討し、排外主義をあおり民衆を分断する攻撃に対しては国際連帯で闘っていく」と力強く訴えた。
 続いて、日本キリスト教協議会、NO!レイプNOベース女たちの会、米軍人軍属による事件被害者を支え損害賠償法をつくる会など各団体から連帯のアピールが行われた。
 東京水道労組青年女性部の代表は、「労組として十二日からの沖縄での平和行進と県民集会に派遣した。サミットに向け東京の地からも連帯して闘う」と決意表明。都職労事務組合支部の代表は「沖縄での平和運動に対する排外主義の攻撃、石原都知事の三国人および自衛隊の治安出動発言も同様の排外主義であり絶対に許せない。基地建設で政府、県、名護市は矛盾を抱えており容易でない。連帯して闘おう」と決意表明。
 防衛施設庁への集会決議を採択し、参加者は移転した防衛施設庁に向けてデモ行進を行った。