国民連合とは月刊「日本の進路」地方議員版討論の広場集会案内出版物案内トップ  

自主・平和・民主のための広範な国民連合
月刊『日本の進路』2000年5月号
 

大型店出店に対する自治体独自の規制の動き広がる


 六月から大店法に変わって大店立地法が施行される。これまでの大店法は、店舗面積、営業時間、年間の休業日数等を出店地の商業実態に合わせて調整するものであった。大店立地法では、駐車場台数や騒音対策など生活環境が規制の基準となる。例えば、大店法では店舗面積が五百u以上の場合、申立があれば出店の是非を審議していたが、大店立地法では千u以下は規制の対象とならない。そのため大型店の出店が容易になる。
 このような状況の中で、大店立地法の運用を任された全国の自治体では大店立地法の指針より厳しい内容の自治体ごとの独自の条例などをつくる動きが広がっている。深夜営業を強行する大型店と地域住民のトラブルが続出している背景がある。
 以下、各地の特徴を紹介します。
【駐車場・駐輪場】
◆横浜市
 駅周辺などでは大店立地法の必要駐車場台数の基準より大きく上回る規制内容を盛り込んだ運用基準を作った。例えば、店舗面積が二万u以上で商業地でしかも駅周辺の場合、大店立地法の基準は百二十台で済むが最低六百六十台とした。
◆仙台市
 人口増が激しい地域で渋滞緩和のため駐車場の必要台数を大店立地法の基準より引き上げる。
【深夜営業】
◆東京都渋谷区
 三月に「特定商業施設の立地調整に関する条例」を策定し、午後十一時以降も営業する店舗面積三百u以上の小売店は「地域の生活環境及び商業環境を良好に保つため」に五ヶ月前の届け出や住民説明会を義務づけた。杉並区でも条例化の動き。
◆東京都
 公害防止条例を見直し、店舗面積を問わず深夜営業の小売店に届け出を求める。周辺の生活環境が損なわれた場合には都が業者に改善命令を下す。従わなければ深夜営業を禁止できる。
◆川崎市
 公害防止等生活環境の保全に関する条例を制定する方針。深夜営業をする小売店(店舗面積五百u以上)に騒音規制等を盛り込んだ条例に。
◆神奈川県
 生活環境保全条例を改定し、五百〜千uの大型店にも住環境を悪化させる深夜営業は規制する方針。
【店舗面積】
◆京都市
 市内を七ゾーンに分け、ゾーンごとに大型店の店舗面積の上限を設ける「商業集積ガイドライン」をまとめた。大半のゾーンの上限店舗面積は千uで、幹線道路沿いに限り三千uまで認める。また大店立地法の対象となる店舗の出店について、構想段階での届け出を義務づけるまちづくり条例を制定する方針。
【廃棄物】
◆福岡市
 事業系一般廃棄物と資源物の保管場所の設置を義務化。
【事前協議】
◆出店の正式な届け出前に事前の協議や相談を出店希望者に求める。
 横浜市、名古屋市、京都市や青森県、宮城県、群馬県、山梨県、静岡県、長野県、奈良県、徳島県など四十五自治体。
【板橋区の要綱】要旨
◇店舗面積千u以上の出店予定者は生活環境影響説明書を十二ヶ月前に届け出。◇出店予定地周辺の団体から申し出があったら意見交換会を開催する。◇出店予定者は届け出から二ヶ月以内に近隣住民に説明会を開き理解を得なければならない。◇区民は生活環境に与える意見を提出することができる。◇出店予定者は説明会開催後、申し入れした団体と誠意を持って話し合い地域の生活環境を良好に保つよう努力すること。

大型店の営業時間延長の駆け込み申請が急増

 現行の大店法に基づく閉店時間の延長申請が急増している。一月から三月までの第一種大規模小売店舗(店舗面積三千u以上、東京二十三区と政令指定都市は六千u以上)の閉店時刻延長申請は四百三十七件と前年同期の六倍に。各自治体の独自規制の動きに対して、大型店による駆け込み申請である。