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自主・平和・民主のための広範な国民連合
月刊『日本の進路』1999年3月号

埼玉発、ダイオキシン問題を考える

秋山かほる(なばなフォーム)


 埼玉で有機栽培・無農薬の野菜を作って消費者に届けています。なばなフォームの秋山と申します。
 埼玉の野菜といえば、最近所沢のほうれん草が一躍有名になってしまいました。ダイオキシンは最悪の環境ホルモンで、ごみの焼却によって発生します。精子の減少はよく知られていますが、子宮内膜症、雄の雌化、ガンの発生と増加、骨粗しょう症、アレルギー、行動異常、運動機能の低下、発達障害・学習障害などが疑われています。まだ研究段階で多くのことは、これからわかってくるでしょう。
 ダイオキシンだけでなく、様々な化学物質がこのような作用を引き起こすことがわかっています。でも、10万種類もの化学物質を年間2〜30の単位しか調べられない状況ですから、わかった頃にはもう遅いのではないかと研究者たちは警笛を鳴らしています。現在70種類の化学物質が環境ホルモンとされていますが、そのうち45種類は農薬です。他にもカップ麺の容器、缶詰の内側の塗料、プラスチック、合成洗剤などに含まれています。
 ダイオキシンは水に溶けにくく油に蓄積するので、魚の脂身、肉の脂身が危ないと言われます。また、食物繊維には化学物質を体外に排出する作用があります。一番は米ぬか繊維ですので玄米がお勧め。次がそばです。続いてほうれん草、大根の葉があげられます。埼玉ばかりがダイオキシンのように言われていますが、全世界で焼却されているごみの70%以上は、この狭い日本で燃やされています。
 所沢周辺に産業廃棄物の焼却炉がたくさんあるのは雑木林が多いからです。雑木林は税金が高く、維持するのが大変です。相続でもあれば一番に手放さねばならぬ土地です。都市部の人々が望む埼玉の多くの「みどり」は、農家が身銭を切って支えているのです。産廃業者ぐらいしか買ってくれない悲しい土地なのです。農家から雑木林を取り上げる政府の土地政策が、みどり豊かな「くぬぎ山」に産廃銀座を作ったのです。